「幡随院!幡随院!シゲ先せーい!」
「ウェイウェイウェイ!瑞希先ぱぁい~俺を御指名系~??」
「どうしたんだい、瑞希君?」
一緒に観戦していた仲間に声をかける。
「幡随院、催馬楽のところまで来い!凛がヤバくなる前に、タイマンやめさせるぞ!」
「はあ!?凛がヤバいだと!?」
「凛君が!?」
「りっくんが!?」
「りっちゃんが!?」
「凛さんが!?」
「我が君が!?」
「ウェイ!?リンリンピンチなの!?トイレ長かったのはゲリだった系!?」
「シゲ先生も協力して下さい!!」
「・・・わかりました。行きましょう。」
俺の頼みを、すんなりと受け入れてくれた2人にほっとする。
(こんな感じで、凛と大河が戦うことをやめさせられればいいんだが――――――!)
シゲ先生と幡随院長政を連れて、西岸のボスの元へ行く。
西岸の催馬楽メテオは、女を侍らせながらリングを見ていた。
しかし、俺達が近づいてくるのに気付くと、自分に抱き着いている女たちを押しのけて叫んだ。
「長政~!!俺に会いに来てくれたのかぁ―――――――!?」
「触るなボケ。」
抱き着こうとする催馬楽を、足蹴にする幡随院。
「ぐえ!?いてぇ~!」
それで撃沈した催馬楽に俺は伝えた。
「おい、催馬楽!今日一日、幡随院長政を好きにしていいから、今すぐ凛と大河のタイマンをやめさせろ!」
「ウェイ!?」
「えっ♪長政を独り占めしていいの!?」
「そうだ中止だ、中止!!」
「ちょ!?なに言い出すの、真田先ぱぁぃ!?正気ぃ!?俺イヤだよ!!」
「頼む幡随院長政!!凛のために、一肌脱いで―――――――凛道蓮のために、凛道蓮に尽くしてくれないか!?」
「え♪リンリンに尽くすとか、モエ~♪リンリンのためなら、何でもできる系だけどぉ~説明責任果たしてもらわないと、納得できない系!」
「長政が一晩俺の物♪あはははは~長政ぁ~俺の隣に来いよぉ~♪」
「うるせぇ下品なバイセクシャル!!リンリンと大河っちの試合を中止させたい理由は、なぁーにぃー?」
「凛と大河の身の安全のためだ!」
「身の安全~??」
「リングドクターとしても、中止を要求します。」
「ウェイ!?リンリンピンチ系!?メテオ、試合中止しろ!」
「イヤだね。」
「はあ!?なんで?」
幡随院がイラ立ち気味に返せば、肩をすくめながら西岸のボスは言った。


