「インスタグラムの会社に渕上の名前で連絡したら、菅原凛のニセアカウントにウィルスが感染して、会社の方でも社内感染が起きて削除するしかないって言うんだよねー・・・・」
「え!?ヤバくない!?」
「ゴミ原は、ゴミじゃなくて、バイ菌だったんだな~!」
「そんなのんきな話じゃないよ中山!!」
へらへらするお調子者に、渕上が鋭い声を上げる。
「明らかに、第三者が意図的にウィルスを送り込んで起きた感染だと言われた。そんなことできる奴らといえば―――――――――心当たりがあるだろう?」
「まさか!?龍星軍が俺らのゲームに気づいて!?」
「菅原凛は、龍星軍の特攻隊長と1度接触してるからね。」
「げっ!?夏場の熱中症トラブルか!?」
「龍星軍の特攻隊長はG組・・・・・菅原凛が提出した全教科のノートの記載は、G組のノート内容と同じだったと井谷が教えてくれた。」
「ええ!?ヤバくない!?」
「あたしら、龍星軍に制裁されない!?」
「されないよ。」
「なんでそう言い切れるんだ、ルノア!?」
不安そうにする仲間達に、悪女は不敵に笑う。
「あたし達は、菅原凛と冗談で遊んでただけよ。『遊び』を『いじめ』だと決めつけないでほしいわ。」
悪びれた様子もなく、ハッキリと言い切る渕上ルノア。
それで、他の連中も安堵の笑みを見せる
「そ・・・そう言い切れば、そうなるかもしれないけど・・・」
「それで凛道さんが納得する?」
「そんなのどうでもいいわ。菅原凛の土下座謝罪動画さえ手に入れば。」
クスクスと笑いながら渕上ルノアは告げる。
「謝った時点で、謝った側が悪だって決まるのが、人間社会よ。菅原凛の謝罪動画あれば、龍星軍は何も言えない。」
「け、けど!ウィルス感染が起きてる状況で、そう簡単に入るのか!?」
「菅原凛は典型的な親に逆らえないいい子よ。両親を使えばいいの。」
「いや!待って待ってルノア!菅原凛の両親が、菅原にさんざんルノアに謝れって命令しても聞かなかったじゃん!?」
「そうだよ!あたしら見てたよそれ!?両親じゃ、菅原凛をいじめる駒として、弱すぎない!」
「馬鹿だね。短期決戦で考えるから無理だと思うんだよ。」
「「「「え!?」」」」
「菅原凛の場合、長期決戦で痛めつければ、必ず根を上げる・・・!」
そう言いながら、手入れされたキレイな自分の爪を見る渕上ルノア。


