〈さあ、円城寺大河がリングに入ったところで、登場してもらいましょう!!今回の東西南北のバトルロワイヤルはもちろん、タイマンのきっかけを作った人物!!ジャック・フロストの異名を持つ、日本一の暴走族、龍星軍の4代目総長―――――――――凛道蓮です!!〉
紹介を受け、明るい場所へと一歩踏み出す。
「凛さん!」
「リンリン!」
「我が君!」
「凛君!」
「りっくん!」
「りっちゃん!」
「凛ちゃん!」
「凛道!!」
私を呼び仲間の声と―――――――
「凛道さんだ!」
「四代目!」
「蓮様!」
「凛道君!」
まったく知らない人達の声が耳に届く。
〈初代龍星軍総長の弟にして、名前と性別以外は、どこの誰ともわからないのが、凛道蓮!!ネットのハンターサイト、キンモクセイでは、444,444,444円の賞金がつくほどの大物君ですが、身体のサイスはSサイズ!しかし、油断はできない凶悪さを持つ男であります!!〉
(ひでー説明だ。)
誰が凶悪ですか、誰が?
私、平和主義者で、人畜無害なんですけど?
おまけに、昔話を蒸し返すし、人の身体的特徴を馬鹿にしてくるしで!
(アキナさん、本当に凛道蓮が嫌いなんだな・・・。)
「え!?凛道さん、四億の価値あるの!?」
「捕まえたら一攫千金じゃん!?」
「色仕掛けする!?」
「ハニートラップで捕まえられるか!?」
「みんなで襲い掛かれば行けるかもしれない・・・!」
(おいおい、私を狩る相談、やめてくれない?)
アキナさんが余計なことを言ったせいで、違った意味でざわつきだす見物人達。
「噂はマジだったのか!?凛道倒せば、四億と長政が手に入って一石二鳥じゃねぇか!?狩るか・・・♪」
「カノンさ~ん♪凛道蓮を捕まえて、一緒に4億円を、デートとエッチに使いましょうよ~♪」
「いいねぇ~それ!悪くない話だ・・・♪」
「倒せば、俺の名が全国に知られる上に、4億ゲットできるなら、罰口でアポ撮って対戦するしかないだろう!!やるぞー♪」
(おいおい、やるの気になってもらったら困る人達が、やる気出してるじゃん!)
げんなりする気持ちで鼻道を歩き、リングインをする。


