彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






左右にヤマトと雷太を従えて歩く。
ロングの特攻服をなびかせ、道のど真ん中を歩く。
ほどなくして、アナウンスが耳に届いた。





〈こんばんは、みなさん!本日はご来場をありがとうございます!ただ今より、今夜拳で語り合う男達を紹介したいと思いまーす!〉





九条アキナの声だった。
聞いたことないくらい明るくて、可愛い声をしているのが皮肉に感じた。
いつも聞く、低い怒りに満ちた声とは違う甲高い声。





〈まず、最初の登場は~知る人ぞ知る、ヤンキー会の硬派集団爆裂団のボスにして、日本一の暴走族、龍星軍の総長代行を務める男――――――――円城寺大河です!!〉





わぁ!!と、歓声が上がり、円城寺君が入場してくるのが遠目に見えた。
彼もまた、龍星軍のロングの特攻服に身を包み、いつも以上に鋭い表情をしていた。





(円城寺君に勝たなければ。)





〈円城寺大河は、東山高校の番長であり、数日前に行われた、東西南北のバトルロワイヤル戦の勝者でもあります!今夜、どのような暴れっぷりを見せてくれるか、大注目であります!!〉





そう説明している間に、円城寺君は花道を歩き、リングインをする。
セコンドには、カンナさんと悠斗君が付き添っているのが見えた。



(カンナさん・・・)



友達が対戦相手の方につくのは・・・付き合いが、円城寺君の方が長いとわかっていても、やっぱりさみしい。



そう思った時、肩を叩かれた。





「うはははははは!凛の番やで!」
「・・・わかってる。」





そう告げた時、九条アキナが声を上げた。