彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




「凛!そうだとしても、油断しちゃダメよ!?良い大学に推薦で受かるためにも、友達だろうと出し抜くぐらいしなさいよ!?」
「むしろ、出来ないふりをして油断させておくんだぞ!?相手は、凛が塾に行ってないと知ってるのか?」
「知ってるけど・・・」
「やっぱり、塾に行かせた方がいいんじゃないか!?」
「そう思うなら、良い塾をあなた、見つけてきてよ!私ばかりに押し付けないで!」
「俺がいつ押し付けた!?ああ、わかったよ!お前よりも良い塾を凛のために見つけてきてやる!」
「言っとくとけど、通いの塾はやめてね!移動時間が惜しいから、リモートできる塾にして!」
「それぐらいわかってる!お前こそ、ちゃんとリモートの塾を探せよ!」



(マジかよ・・・・・・。)



両親の言葉に、塾に行きたくない私はうんざりする。
勉強するのが嫌だからじゃない。
時間が無くなるのが嫌だから、塾には行きたくないのに・・・。



「凛、良い塾が見つかるまで、自力で頑張りなさいよ!?」
「凛は塾に行かなくても大丈夫だと思うが、保険はかけておいた方がいい!それが凛のためになるんだからな!?」
「・・・ありがとう、お母さん、お父さん・・・。」



心にもない思いを口にして、作り笑いを2人に向ける。





(マジで、ハズレの親ガチャだわ・・・。)





今日もそう心の中で思いながら、お母さんが用意してくれた食事を食べるのだった。