彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「凛、ボイスレコーダーのオリジナルは、『凛道蓮』の部屋に保管しとき。」
「ヤマトの家じゃダメなのですか?」
「我が家はポルダーガイストが起こるやん。霊障で電気系がよく壊れるねん。」
「じゃあ、『凛道蓮』の部屋が安全ですね。」
「可能なら、瑞希はんに上手いことおねだりして、貸金庫借りてもらい!そこへ、ボイスレコーダー預けるに限るわ!」
「え!?瑞希お兄ちゃんにご迷惑はかけられません!」
「ご迷惑かけるんちゃう!甘えるだけや!」
「簡単に甘えられませんよ!貸金庫借りるのに、いくらかかると思ってるんですか!?」
「凛!これから先の『菅原凛のいじめ事件』は、凛にとっての大きな障害になる!少しでも有利な材料は守っとくべきやねん!」
「それはそうかもしれませんが――――――――!」
「とりま!応急処置として、凛道蓮の部屋にボイスレコーダーを避難させるで!ええな!?」
「わかりました。」





そう返事をした時、信号が青に変わった。
これにヤマトは、いつもよりも遅い速度で発信する。





「凛!いつもより時間かかるけど、堪忍な?」
「わかってますよ。タイマンを控えた僕が、ケガをしないように安全運転してくれてるんでしょう?」
「うはははは!!バレたかぁ~!」
「ヤマトは優しいね・・・。」

優しい。

本当に優しい。

瑞希お兄ちゃんの次に優しい。





「・・・一番最高なのはやっぱり瑞希お兄ちゃんだけど。」
「うはははは!!独り言はもう少し小さいボリュームでお願いしますわ、お客さーん♪」
「え!?あ、ごめん!もちろん、ヤマトも優しいよ!?感謝してるよ!本当だよ!?ありがとうございます!」
「うはははは!!言わんでもわーとる!」





謝る私に、ヤマトはサングラスをずらしてウィンクする。

こんなに良い奴なのに、どうして彼女ができないのかと・・・つくづく恋の神様は厳しいと思った。