彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






私が持ってきた『菅原凛』の荷物は、ヤマトの部屋に置くことに決まった。
さらにヤマトの提案で、とりあえずしばらくは、ヤマトの家からあゆみが丘学園に登校することになった。
ここでヤマトは、菅原凛の携帯は両親から支給されたものなので、GPSアプリが入ってる可能性があることを指摘される。
そこまで私は考えていなかったが、あの両親ならあり得ると納得し、『菅原凛』のスマホの電源を入れるのをやめた。
もっとも、知らない人から電話がきて罵られてから『菅原凛』のスマホの電源は落としたままにしていた。
ヤマトはそれでいいと言い、電源が入れるのは、登校する日に学校の側で電源を入れ、両親への生存報告LINEを送れば、警察も真剣に操作はしないとアドバイスされたのでそうすることにした。





「てか、両親に生きてる報告する必要ありますか?」
「うはははは!!日本国憲法では、凛は親に扶養される立場じゃからのぉー!」
「その割に・・・娘に暴言付きのヤキ入れてきやがったけど?」
「うはははは!!面倒な展開になったら、『その録音』を、児童相談所に提出すればいいや~ん♪」
「そうですね・・・。」





ヤマトの単車の後部座席で、私は手にしていたボイスレコーダーを見つめながらつぶやく。
あの時、船越先生と一緒に自宅に帰る際・・・私は嫌な予感がしていた。
『菅原凛』としてではなく、『凛道蓮』として、危険を知らせるシグナル。
ちょうど、後藤先生から受け取っていたボイスレコーダーがあったことを思い出したので、自宅に向かうタクシーに乗る前にスイッチをオンにして、LEONさんこと烈司さんが立ち去るまで録画を続けていたのだった。
少しだけヤマトに聞かせれば、





「クズ共が。」





聞いたことないような低い声で吐き捨てるように言った。
そしてヤマトは、ボイスレコーダーに録音された内容を複数コピーして、『凛道蓮』のスマホにも保存してくれた。
赤信号になり、単車が止まったところでヤマトが言ってきた。