「それじゃあ、そろそろ二手に別れようかね。」
「そうですね。」
「はい・・・。」
船越師範の言葉で、後藤先生は自家用車の方は、私と船越師範は、船越師範が呼んだタクシーへと向かう。
「菅原さん、きっとご両親は、最後はあなたの味方になってくれるはずよ!大丈夫だから、頑張ってね!?」
「ありがとうございます。後藤先生。先生もどうか、お気をつけて行ってらっしゃいませ。」
「ありがとう。行ってきます!じゃあ、船越さん、菅原凛さんのこと、よろしくお願いします。」
「ああ、大舟に乗ったつもりでいておくれ!」
「はい!」
笑顔で後藤先生はうなずくと、可愛い車に乗り込んで、安全運転でスーパーの駐車場から出て行った。
それを船越師範と2人で見送りながら、タクシーの方へ歩いて行く。
ふいに、船越師範が聞いてきた。
「あの両親に、なんていうか、考えてきたのかい?」
「はい。『私は、誰かをいじめたりしていません。そのことをネットに投稿して、馬鹿にするような真似もしていません。すべてが逆。私は、いじめを受けた被害者であって、加害者ではありません。』・・・そう言うつもりです。」
「その言葉を聞いて安心したよ。両親にも同じことを言っておやり。」
「信じて・・・もらえるでしょうか?」
「言って後悔するのと、言わないで後悔するのだったらどっちがいい?」
「言います!信じてもらえるまで、伝え続けます!」
「良い覚悟だね。さあ、家まで行こう。」
「はい!」
船越師範と一緒に、停車しているタクシーに乗り込む。
そして、両親がいるわが家へと向かうのだった。


