私がレイプ未遂にあって助けられた話をすると、あからさまに船越師範は不機嫌になり、後藤先生は泣きだしてしまった。
「なんてクソガキ共だ!!」
「菅原さんが無事でよかった・・・!助けてくれた知らない男性達には感謝しなきゃね!?」
「・・・はい。」
菅原凛を助けてくれたのは、凛道蓮の知り合いではあるが、菅原凛の知り合いではない。
そこを隠して話したが、私が凛道蓮だと見抜いている船越師範には、ムダな説明だったかもしれない。
それでも、何も知らない後藤先生は納得したので、よしとした。
話はもちろん、食事が終わったところで、私達は移動することにした。
「菅原さん、ここでお別れだけど・・・・。」
「後藤先生、今さらですが・・・私に会いに来るために、授業サボらせて申し訳ありませんでした。」
「サボってないから、気にしなくて大丈夫よ♪」
「といいますと?」
「学校へは、病院へ行ってから登校すると伝えてあったの!だから、今から学校に行っても、何も言われることはないわ。」
「そうでしたか・・・。」
「それよりも、菅原さんに付き添えないのが・・・・・ねぇ、船越さん?」
「あんたは来ちゃダメだよ!私に何かあった時、誰が菅原凛の味方になるんだい!?味方全員で行って全滅するよりは、私1人で行って、最悪の事態に備えた方がいい!いざとなったら、私の仇討をして遅れ、後藤ちゃん!」
「・・・わかりました。今回は、同行を我慢します。ですが、気持ちはいつも一緒よ、菅原さん。」
そう言うと、ギュッと私を抱きしめてくれる後藤先生。
「・・・ありがとうございます。」
されるがままに、そのぬくもりに身をゆだねる。


