彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「悪いけど、菅原凛が格闘技の有段者と言うことは、私ら3人だけの秘密にしておくれ・・・!」
「ひっ!?」
「ふ、船越師範!?」





突然怖い顔をすると、後藤先生をにらみながら頼み始める船越師範。





「くれぐれも、命の危険にさらされても、言わないこと・・・いいね・・・!?」
「わ、わかりました!」





赤ペコのようにうなずく後藤先生。





「ならよかった!」





途端に、満面の笑みになる老婦人。





「ちょ、船越師範!?後藤先生を、脅すことないじゃないですか?」
「大ありだよ!愛弟子も、格闘技が出来ると渕上ルノアには絶対にバラしたらダメだからね!?悪いけど、やられたら、やられっぱなしになっておくれ!性暴力以外は!」
「サンドバックになれと!?あ、でも、性的被害にあいかければ、反撃していいのですね?」
「当然だよ!殺す気でやりな!最低でも、骨はへし折るんだよ!」
「過剰防衛になりませんか?」
「渕上ルノアの性格なら、複数で襲わせるに決まってる!」
「あ・・・確かに・・・。」





その言葉で、カジノ事件でレイプ未遂にあったことを思い出す。





(あいつら・・・いじめ方がえげつないからな・・・・・もはや、犯罪と言ってもいいぐらいよ。)





〔★実際には、いじめは犯罪である★〕





「菅原さん・・・まさかとは思うけど・・・・渕上さん達から、性的ないじめを受けたことがあるの?」
「・・・はい。」





静かにうなずきながら答えれば、後藤先生の表情が引きつる。
同時に口元を抑え、青い顔で黙り込んでしまった。





「・・・産婦人科に入ったの?」
「産婦人科のお世話になることはなかったです。親切な方が助けてくれましたから、未遂で済みました。」
「よかった!!」





そう言って、私を抱きしめる後藤先生。





ドン!

「よくない。」

「「あ。」」





それに対して、船越師範の方は納得していなかった。
机をこぶしで叩くと、向き合って座っている私の方へ、身を乗り出しながら聞いてきた。





「初耳だよ、愛弟子。詳しく教えてくれないかい?」
「・・・実は――――――」





すごく言いにくいことではあった。
でも、いじめの被害者という立場で戦っていくなら、協力してくる大人達には伝えた方がいいだろう。
そう思ったので、私はレイプ未遂での出来事を・・・菅原凛のキャラと視点から語ったのだった。





〔★詳しくは、彼は高嶺のヤンキー様9(元ヤン)をご覧下さい★〕