「・・・もう一度チャンスを・・・か。」
(それ、意味がある?)
両親は私を信用していない。
私の言い分など聞かずに、罵声を浴びせるだけでなく、暴行までしてきた。
(・・・・・信じて、傷つけられるのは嫌だ・・・・。)
私は、いじめられていることを、勇気を出して両親に伝えた。
助けを求めた。
(だけど、お父さんもお母さんも、私を信じてくれなかった。)
ルノアちゃんに謝れと言うばかりで、私がいじめられている側だと信じなかった。
そんな人たちをもう一度信じてみろって・・・・
(船越師範だって、『菅原凛の両親』がどんな性格か知ってるはずなんだけどな・・・。)
お母さんは無表情で、お父さんはぶっきらぼうに、船越師範に接していた。
(それなのに、信じてみないかと言ってくるなんて・・・)
どういうこと?
もしかして――――――――
(1晩帰らなかったことで、両親も冷静になったのかな・・・?)
あり得そうな可能性を考える。
(人間は時間が立てば落ち着くという・・・。じゃあ、お父さんもお母さんも、今なら―――――――娘の言うことを信じてるって、船越師範は伝えに来てくれたの?)
わからない。
(考えてみてもわからない。そうなるとやはり―――――――・・・・・・)
会いに行くしかないの?
(お父さんとお母さんに、会いに行ってみる?)
「・・・。」
正直、気乗りはしない。
(会うのが怖い。)
それが正直な感想。
だけど――――――――――――
(1日経って、冷静になってくれてるなら・・・)
今後の人生のことを考えれば―――――――
(会って、きちんと話すしかない。)
そう結論を出し、ポケットに手を入れる。
凛道蓮のスマホのLINE画面を出し、瑞希お兄ちゃん個人へLINEをする。
―急用ができました。タイマンの時刻までには帰ります。―
そう打ち込んで、送信ボタンを押す。
すぐに既読がつき、OKのスタンプが返ってきた。
それを見届けると、私はスマホをポケットにしまう。
そして、菅原凛の着替えがあるヤマトの家まで向かうため、単車が置いてあるお店へと引き返したのだった。


