彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「シルキロール取ってみろ。」
「?押忍。」





瑞希お兄ちゃんが言うなら・・・と思い、シルキロールを取る。
途端に、瑞希お兄ちゃんの眉間にしわが刻まれる。





「今日もヤマトと手合わせしてたのか?」
「いえ、今日はしてないです。」
「けど、『スイッチ』入ってるよな?」
「へ?」
「ブチ切れてる時の凛道蓮モード寄りの四代目総長モードになってるぞ?」
「あ・・・。」





それで気まずくなり視線を逸らす。





「オラ!こっち向け!俺を見ろ!」
「はあ!?ちょ、勘弁して下さい!」
「そうはいかねぇ!手当てするから、こっち向け!!」
「手当て??」
「あん?なによオメー・・・わかってねぇの・・・?」
「なんですか?」
「・・・こっちこい。」





そう言うと、引き出しを開けて何か取り出す。





「除菌シートですか?」
「メイク落としだ。」
「えっ!?」





ドキッとした時には、シルキロールをずらされ、顔にメイク落としが密着する。





「ちょ、ちょっとお待ちくだ――――――――!」
「却下。」





ゴシゴシゴシ!





「あ―――――――――!?」
「・・・・・やっぱりな。」





顔中を拭かれた後、瑞希お兄ちゃんがあきれ顔で告げる。





「ほら!鏡で見てみろ!」
「う・・・・!」





気まずい気持ちで、鏡をのぞき込んでみれば、口の周りが青あざだらけになっている自分の顔が映っている。





「どんだけボコられたんだよ!?」
「えーと・・・。」





かなりボコボコにされたと思う。





(お母さんは平手で、お父さんは握りこぶしで殴ってきたよね・・・)





特に最後の方は、お父さんだけじゃなくて、お母さんもグーで殴りやがったからな・・・





(せっかく、シゲ先生がファンデーション貸してくれたのに――――――ー・・・)





「俺を誤魔化せるとでも思ったのか、凛?」
「す、すんません!」
「とりあえず、犯人はヤマトじゃねぇな。あいつは凛を大事にしてるし、なによりも、こんな下手くそな殴り方はしねぇー」
「下手くそなんすか?」
「殴り慣れてないあざの出来方だな。」
「へーそうなんすか・・・。」

まあ、殴り慣れてたら、それはそれで怖いけどね。

「このアザ・・・ヤマトに会う前に作ったろう?」
「!?・・・どうしてそう思うんすか?」
「俺がヤマトなら、凛の顔を傷もんにしない。誰にやられた?」
「いや・・・瑞希お兄ちゃんに言うほどの奴じゃ・・・」
「親だろう?」
「っ!?」





まさかの正解に、心臓が跳ね上がる。