「・・・シゲ先生、用意できました。」
「・・・わかりました。」
私が自撮りした服を脱いだ写真を見ていたシゲ先生が顔を上げる。
「全身と、あざになっている部分を撮ります。あざの部分は、近距離で撮影します。」
「はい、よろしくお願いします。」
されるがままに撮影に応じる。
カシャ、カシャ、カシャ!
「これでいいですね。」
「シゲ先生、ありがとうございます。」
「いいのですよ。」
「私、余計なことしちゃったかも。シゲ先生が撮影して下さるのに、ヤマトの家で撮ってきたりして・・・。」
「いえ、ヤマト君の浴室で、撮影してくれていて助かりました。蓮君だと、さらしをきつく巻くので、あとがついています。今もです。」
「あ!?ごめんなさい!その辺、考えてなかったです!」
「謝らないで下さい。蓮君が撮った写真も、私が撮った写真も、どちらも良いものが撮れています。これは強力な武器になります。」
「武器、ですか?」
「そうです。」
ニッコリとほほ笑みかける初老のお医者さん。
「さあ、診察はこれで終わりです。ここで凛道蓮君に変身したら、顔にファンデーションをつけましょうね。」
「ファンデーション??なぜですか?」
「応接間にいるヤマト君と合流したら、瑞希君に会いに行くのでしょう?この顔を見たら、驚かれませんか?」
そう言いながら差し出した鏡を見れば――――――――
「あ!?」
顔に出来たアザが、濃くなっていた。
「瑞希君に心配をかけたくないでしょう?」
「はい!そうします!」
理解ある医師の言葉に、力強く私はうなずいた。


