彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「ちょ、ちょっと待って!」





慌てて追いかける私。
ヤマトは廊下をすたすた歩いて、リビングへ行く。
リビングに到着すると、部屋の中央に観音扉のスタンド式の三面鏡を置く。
そして私に言った。





「ここならええやろう?」
「う、うん。・・・・・・・・移動させてごめん。」
「いや、ええねん!謝ることちゃうで~うははははは!」
「でも・・・・」
「ほな、わしこれからプライベートルームで、作業するさかい!ゆっくり撮影してや!撮るのが終わったら、ぼーっとしとき!!あ、そっちにアニメのDVDあるから見てええで!食いもんはキッチンにあるのを、好きなだけ持っててや!うははははは!!」
「あ、ありがとう、ヤマト・・・」
「うははははは!大親友やろう~!?





私の頭をなでながら言うと、自室へと入って行くヤマト。





「・・・。」





1人、部屋の中央に取り残された私はデジカメを手に取る。





「ケガしたところ・・・・・撮影しなきゃ。」





しばらくカメラを眺めてから、それを机に置くと服を脱いだ。
下着姿の状態で、再びデジカメを持って、姿見の鏡の前まで行く。
観音扉の扉を開ければ、今現在の自分の姿が映し出された。





「・・・うわ・・・。」





明るい場所で、鏡に映る私の身体には、身体中には―――――――しっかりとあざがついていた。





「・・・。」

(これを、お父さんとお母さんがつけたのか・・・・・・)





ぼんやりと考えながら、静かにシャッターを押す。





パシャ。

「・・・。」





撮れた画像を確認し、青あざになっているのを再確認する。





パシャ。

パシャ。

パシャ。





地味で単調な作業を繰り返し行う。





パシャ。





姿見の鏡のおかげで、背中についていたあざも撮ることができた。





「・・・。」


(まだまだ・・・撮らなきゃいけない場所があるのね・・・。)





シャッターを押せば押すほど、私の気持ちは憂鬱になっていくのだった。