話し合いは、病院の談話室で行われた。
「渕上様の要望は、今回の場合、娘のルノア様の意向を反映しています。ご了承ください。」
「はい!何を言われても受け入れる覚悟です!」
「どうかお話しください!」
「・・・。」
(なんで、私を間に挟んで座るわけ・・・?)
しかも、両腕をつかんで逃がさないようにしているところが癪に障った。
(私は逃げも隠れもしないというのに、この仕打ちは何なの!?)
「ルノア様の芸能活動の面を考えて、今回の傷害事件については、被害届は出さないことにします。」
「え!?こんなオオカミ少女、前科つければいいじゃないですか!?」
「馬鹿!黙ってろ岩倉!!」
田所弁護士の後ろに立つ刑事2人のうち、若い方が頓珍漢なことを言って、先輩刑事を怒らせる。
岩倉が私をにらんでいるのには気づいていたけど、知らん顔をしてやり過ごす。
馬鹿ほど相手にする価値はない!!
そんな私の信条を知らない両親は、涙声でお礼を述べる。
「あ、ありがとうございます!お慈悲をかけて下さって、ありがとうございます!!」
「必ず娘を更生させてみせます!ありがとうございましたと、姫月ミテコ様にお伝えください!!」
「わかりました。伝えておきます。ですが・・・残念ながら、これで終わりというわけにはできないことは―――――――もう察してますよね?」
田所弁護士が意味ありげに言えば、すぐさまお父さんが反応した。
「治療費のことですね!?それから慰謝料!」
「わかっているなら話が早いです。」
「あの!おいくらお支払いすればいいのですか・・・?」
お父さんの問いに、弁護士は笑顔で答えた。
「500万です。」
「「ご、500万!?」」
「なっ・・・!?」
(なんで無罪の私が!!我が家が!!そんな大金を払わなきゃいけないのよ!?)


