「弁護士の田所です。今回の件を、姫月ミテコ様こと、渕上ミテコ様より任せられたものでございます。」
「あ!?あなたが、ルノアちゃんのお母様が雇われた弁護士、さんでしたか?」
驚く母を見ながら、弁護という言葉が出た時点で、このメガネ男が弁護士だと気遣いない母に情けない気持ちを抱く私。
メガネの男改め田所は、メガネを直しながら言った。
「はい。複数いる渕上家の顧問弁護士の1人です。とりあえず、お立ち下さい。」
「す、すみません!」
「すいません・・・!」
必要のない謝罪をしながら立ち上がる両親に胸やけがする。
お母さんとお父さんが立ち上がると、メガネを直しながら田所という弁護士は言った。
「早速、今回の傷害事件について、お話をさせて頂きたいのですが――――――」
そう言った視線の先には、警察官2人の姿があった。
「警察の方々、これから渕上家と菅原家で、話し合いを行います。つきましては、退出を―――――」
「ああ、出て行けばい―――――」
「出ていきません!!」
「岩倉!?」
ここで若い刑事が、まさかの退出拒否。
しかもその理由が聞いてあきれた。
「菅原凛被告が、渕上ルノアさんに攻撃する可能性があるじゃないですか!?」
「!?私、そんなことしません!!」
(てか、被告扱いするなよ!!)
そのことも踏まえて文句を言おうとしたが、岩倉のトークスピードの方が速かった。
「オオカミ少女の言葉は、信用できない!!なによりも、犯罪は未然に防がないとね!!」
「岩倉お前!!公私混同するのもいい加減にしろ!!これ以上でしゃばるな!!」
「でしゃばってません!むしろバラさんの方が、バラさんらしくないです!!いつもより、無茶苦茶じゃないですか!?大女優に手錠なんかかけて!!」
「必要だから手錠つけてやったんだよ!!そもそも警察官は、民事に加入しちゃダメだと、警察学校で習わなかったのか!?」
「規則を守ったことで、犯罪が発生した方が問題でしょう!?」
「頼まれたわけでもないのに、同席なんかするんじゃねぇ!!」
「岩倉さんの同席をお願いします。」
「なにぃ!?」
「え!?」
(この声は―――――――)
確認しなくてもわかる。
私の最大の敵である人物。


