「あるんですか?奥さん、旦那さん?」
「べ、弁護士は・・・ねぇ、あなた・・・。」
「あ、ああ・・・・。・・・・うちの娘が悪いので・・・つけないつもりでいますが・・・」
「当然ですよ!!てか、バラさん!!手錠かける相手を間違えてますよ!!逮捕するのは菅原凛でしょう!?」
「岩倉、お前警察学校で何を習った?」
「はあ!?なんですか急――――――――――!?」
「なに習ったか聞いてんだよっ!!!!」
大音量で怒鳴り、ヤンキー並みにメンチをきるバラさんに、みんなの動きが止まる。
静まり返る部屋の中、バラさんは大きくため息をつくと、手錠をかけた相手に言った。
「ご存じですか、渕上の奥さん。土下座の強要は犯罪です。」
「そ、それとわたくしに手錠をかけるのと、どう関係があるの!?」
「俺はバカなんで、ストレートに言いますね。」
ニコッと笑ってからバラさんは言った。
「お前は未成年を脅した挙句、暴力をふるった犯罪者だという自覚を持ちやがれ!!」
「ひっ!?」
バラさんの罵声に、身体をのけぞらせるミテコ。
しかめっ面になる渕上ルノア。
(バラさん・・・私のために怒ってくれてるの・・・!!)
胸が熱くなってしまう私。
「取引しようや!!俺はあんたを逮捕しない代わりに、謝罪の土下座を強要しない!!」
「あ、あなた!わたくし達を敵に回す気!?」
「刑事の長年の勘が言ってるんですよ!!渕上家は、叩けばほこりが出るってな!!違うかっ!!?おりゃあ、ここでオメーとやりあってもいいんだぜ!?」
「っ!?」
噛みつくようにバラさんが怒鳴れば、渋い顔をする渕上ルノアの母親。
しばしの沈黙が続いたのちに――――――――
「もうけっこうです。」
よく通る声を出した大女優。


