「「あ!?」」
バラさんに誘導され、同時に病室に入る私を見て、不満げな声を上げる看護師と岩倉。
目だけで2人を見れば、忌々しそうに私を見ながら、病室に入ってきた。
(ムカつく顔・・・・・・何なんだろう。)
「小村さん、案内をありがとう。職場に戻って下さって結構ですよ。」
そう言って出迎えたのは、スーツにメガネ姿の男性。
これに小村と呼ばれた看護師は――――――
「わかりました。何かあればすぐに読んで下さい。力自慢の看護師を連れて、菅原凛を取り押さえに参りますから。」
「はあ!?私を取り押さえる!?」
思わず聞き返せば、再び小馬鹿にした顔で私を見ながら言った。
「ルノアちゃんにケガをさせる暴れん坊を、この病院の看護師一同、野放しにしたくないですからね!失礼します~♪」
言いたいことだけ言うと、笑顔で回れ右をして病室から出ていく看護師。
(悔しい!言い返せなかった!!)
そう思い、看護師が去ったドアを見つめていれば、肩を叩かれた。
「無視しなさい。ほら、行こう、菅原凛さん。」
「バ・・・・はい、刑事さん。」
「渕上ルノア様はこちらですよ。」
メガネ男の言葉で、病室の中を数歩進めば、豪華なベットの周りに、見覚えのある人たちがかたまっていた。
「お父さん、お母さん。」
名前を呼べば、ジロッとにらまれた後で、そっぽを向かれた。
ベッドには渕上が腰かけて寝ており、その近くには―――――――
「やっと来たのね。」
テレビで見たことのある女性が立っていた。
「ああ!大女優の姫月ミテコ(ひめき みてこ)様♪」
(あれが、渕上ルノアの母親・・・!)
上機嫌になる岩倉をよそに、私の心の中は怒りが増していく。
(これが悪霊の材料・・・!!)
渕上の母親は、私をチラリとみると、すぐに視線を私の母親に移した。
「菅原の奥様、申し訳ないけど、先ほど申し上げたことを、もう一度言って頂けます?なぜ、私の愛娘のルノアが、病院のベッドの上でぐったりしているのか?」
「は、はい!何度でも申し上げます!」
そう言うと、私のお母さんは信じられないことを言った。


