「い、いくらなんでも、やりすぎですよ・・・暴力はよくない、です・・・・。」
「躾だからいいんですよ。菅原凛さんは気にしなくていい。」
「ひ、ひどいっすよバラさん!こんなオオカミ少女の前で、俺の無様な姿を見せるなんて!!」
「自業自得だろうが、ボケ!!あとこの子には、『菅原凛』という立派な名前がある!!オオカミ少女と呼ぶのをやめろ!!」
「オオカミ少女をオオカミ少女と呼んで何が悪いのですか!?こいつが、どれだけ姫月愛紗ちゃんを、渕上ルノアさんを苦しめたと思ってるんですか!?」
「なんでお前は、渕上ルノア側の立場でしかものが言えないんだ!?そもそもお前、渕上家に肩入れし過ぎなんだよ!!」
そう言いながら、ゲシ!と転がっている岩倉を蹴り飛ばすバラさん。
「ぐえ!?」
「反省しろ!!」
「バ、バラさ~ん!」
(令和になっても、警察って過激なの・・・?)
バラさんの乱暴ぶりに、岩倉ではなく、バラさんの今後が心配になる私。
そんな私の気持ちも知らないで、バラさんは優しい声で私に語り掛けてきた。
「菅原凛さん、悪いんだけど、これからおじさんと一緒に来てくれないかな?」
「・・・どこにですか?」
「渕上ルノアが入院している病院だよ。」
「え!?」
「警察は正義をかかげてるが、必ずしも、正しい行いをする組織とは限らない。それをふまえて、諦めて一緒に来て下さい。」
「・・・諦めて、ですか?」
「警察に圧力をかけられる、渕上家が、菅原凛さんを呼ぶようにと俺に命令してきました。」
「えっ!?」
(バラさんあんた!)
「そんなことまで、話していいのですか!?あなたの身が危うくなりますよ!?」
「この状況で、こんなくたびれた中年の心配をしてくれるのですか?」
「いえ、あの、だって!」
優しい顔で言われて戸惑う。
そんな私をよそに、バラさんは岩倉を叱り飛ばす。


