(殴られたら、殴り返してもいいかな?でも、今は菅原凛の姿だからな・・・)
そう考えているうちに、岩倉がこぶしを振り上げる。
(仕方ない―――――――猫をかぶって、キャラクターを守るか・・・)
岩倉に殴られても反撃はしない・・・そう決めて、衝撃に備えた時だった。
ガチャ!
「何してる岩倉!!?」
「!?バラさん!」
殴られる寸前で、バラさんが現れた。
〔★ナイスタイミングだ★〕
バラさんはすぐに状況を理解すると、ものすごい勢いで近づいてきて、私の胸倉をつかむ岩倉の手を払いのけ―――――――
「この大馬鹿野郎!!」
「うわ!?」
ガッシャーン!
岩倉を突き飛ばした。
「い、いってー!?なにするん――――――!?」
「何してっかって聞くのは俺の方だ!!お前は未成年の女に手を上げるつもりだったのか!?」
「保護者からは、殴っていいと許可を得ています!!」
(許可したのかあいつら・・・!!)
「ドアホ!!そんなイカレた発言を真に受けてどうする!?こんな暴力的な取り調べ、俺は教えた覚えはないぞ!?」
そう言いながら、私を守るようにかばってくれたバラさん。
「菅原凛さん、大丈夫ですか?こいつに、実際に殴られたりしてませんか!?」
「岩倉さんが机を蹴って、その勢いで机が私に当たって、痛かったです。」
「はあ!?あれぐらいで痛いはずないだろう!?」
「つまり、やったってことだな、岩倉!?」
「ちょっと叱っただけです!!」
「ボケ!!」
バキッ!!
「ぐは!?」
(え!?)
バラさんの右ストレートが、岩倉の顔面に命中した。
ドサッ!
「痛い!!」
床に倒れこみ、こぶしが当たった場所を抑え、ゴロゴロと転げまわる岩倉。
(いい気味。)
なかなか面白い姿だったので、笑いをこらえるのが大変だった。
肩が震えるのがわかったので、それを誤魔化すためにかすれた声を出す。


