彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






(殴られたら、殴り返してもいいかな?でも、今は菅原凛の姿だからな・・・)





そう考えているうちに、岩倉がこぶしを振り上げる。





(仕方ない―――――――猫をかぶって、キャラクターを守るか・・・)





岩倉に殴られても反撃はしない・・・そう決めて、衝撃に備えた時だった。





ガチャ!

「何してる岩倉!!?」
「!?バラさん!」





殴られる寸前で、バラさんが現れた。





〔★ナイスタイミングだ★〕





バラさんはすぐに状況を理解すると、ものすごい勢いで近づいてきて、私の胸倉をつかむ岩倉の手を払いのけ―――――――





「この大馬鹿野郎!!」
「うわ!?」

ガッシャーン!





岩倉を突き飛ばした。





「い、いってー!?なにするん――――――!?」
「何してっかって聞くのは俺の方だ!!お前は未成年の女に手を上げるつもりだったのか!?」
「保護者からは、殴っていいと許可を得ています!!」


(許可したのかあいつら・・・!!)


「ドアホ!!そんなイカレた発言を真に受けてどうする!?こんな暴力的な取り調べ、俺は教えた覚えはないぞ!?」





そう言いながら、私を守るようにかばってくれたバラさん。





「菅原凛さん、大丈夫ですか?こいつに、実際に殴られたりしてませんか!?」
「岩倉さんが机を蹴って、その勢いで机が私に当たって、痛かったです。」
「はあ!?あれぐらいで痛いはずないだろう!?」
「つまり、やったってことだな、岩倉!?」
「ちょっと叱っただけです!!」
「ボケ!!」

バキッ!!

「ぐは!?」


(え!?)





バラさんの右ストレートが、岩倉の顔面に命中した。





ドサッ!

「痛い!!」





床に倒れこみ、こぶしが当たった場所を抑え、ゴロゴロと転げまわる岩倉。





(いい気味。)





なかなか面白い姿だったので、笑いをこらえるのが大変だった。
肩が震えるのがわかったので、それを誤魔化すためにかすれた声を出す。