「り、凛ちゃんが、私を突き飛ばして――――――うう・・・。」
そう言い残して、目を閉じて動かなくなる渕上。
「「凛っ!!!!」」
これに今までにない大声で両親が私の名を呼ぶ。
「凛!!信じられない!!ルノアちゃんに暴力まで振るうなんて!!」
「親の目の前で、なんて奴なんだ、凛!!」
「ち、違う!!私は何もしてない!!!」
そう叫ぶが、事態は悪い方へ流れる。
「ルノア!ルノア!しっかりしてよ!」
「大変!フッチーが死んじゃう!」
「死・・・!?そんなことさせない!!」
鳥海と難波の言葉に反応して、お母さんが動いた。
「救急車・・・!救急車呼ばなきゃ!!」
「急いでくれ!渕上さんに何かあったら、俺は―――――!!」
「凛ちゃんのご両親に罪はないけど、これ、立派な傷害罪なんで!!」
「そうそう!警察呼ばせてもらいます!!ルノアの親にも連絡しますから!!」
私をにらみながら宣言する鳥海と難波。
「ち・・・違う!!私は突き飛ばしてない!!渕上さんが一人でしゃべって、自分から階段下へ飛び降りた!!」
「この馬鹿娘ェェェ!!この期に及んで、まだそんなことを言うのかっ!!?」
ダンダンダン!!と階段を駆け上がってきたお父さんが、私のお腹に足蹴りした。
ドン!
「かは!?」
身内からのまさかの攻撃に、防御が間に合わなかった。
もろにくらってしまい、その場にうずくまった私。
そんな我が子の腕をつかんで立たせると、身体をゆさぶりながらお父さんは言った。
「いいか!!お前はもう一言もしゃべるな!!菅原家の面汚しが!!恥知らずめ!!」
「お、とう・・・!?」
「そうよ!!ルノアちゃんに何かあれば、死んでお詫びしなさい!!この疫病神!!」
「おか、あ・・・!?」
「「ルノアちゃん、しっかりして!!」」
私に侮蔑のまなざしを向けた後、心底心配そうな表情でいじめっ子のボスを見る実の両親。
(また一杯食わされた・・・・・・・・!!!)
再び先手を取られたことに、私は激しい怒りと悔しさがこみあげてくるのだった。


