彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「凛ちゃんになにをされても、私が菅原凛ちゃんのこと、大好きだからです。」


「はあ!!?」





あまりにもふざけた理由に思わず声が上がる。
私の声に反応して、両親が私をにらみながら言った。





「聞いた、凛!?こんな純粋で優しい子を――――――――あなたは今まで、悪者扱いしてきたのよ!?恥ずかしくないの!?」
「そうだぞ、凛!!ルノアちゃんがいじめ軟化するはずがない!!お前、自分が地味だから、キレイなルノアちゃんに嫉妬したんだろう!?それで被害妄想をこじらせたんだ!そうに決まってる!」
「本当にいい加減にして!!お母さんもお父さんも!!私は被害者なの!?どうして信じてくれないの!?」
「凛こそ、目を覚ましなさい!ルノアちゃんは、あなたが停学にならないように、署名を用意して、校長先生と掛け合ってくれたのよ!?どうして感謝できないの!?」
「凛が一方的に敵視してるだけだろう!?なんでこんなクズに育ったんだ!!?ルノアちゃんにお礼を言いなさい!!」
「なんでそうなるの!?」
「「渕上ルノアさんに、お礼を言え!!」」
「凛ちゃん。」





ニッコリとほほ笑みかける。
それは私にとって、完全なあおり行為。





(落ち着いて!落ち着いて、凛!!ここで渕上ルノアに返事をしちゃダメよ!!)





頭に血が上りそうになるのを、必死で抑える。
そんな私をよそに、悪霊は勝手なことを言い始める。





「いろいろ誤解されちゃったけど・・・本当に私は凛ちゃんと仲良くしたいの。」

「・・・!」

(白々しいセリフぬかしやがって!!)





どんな言葉を渕上ルノアにかけるべきか考える。
しばしの沈黙がながれた後、渕上ルノアから笑顔が消える。
そして、悲しそうな顔と痛々しい声を出しながら言った。





「凛ちゃん、私ね・・・停学撤回の署名・・・本当は今すぐにでも出したいのだけど、このままだとそれは出来ないわ。」
「え!?ど、どうして、ルノアちゃん!?」
「凛の態度が悪いからに決まってるだろう!!早く謝罪とお礼をしろ、凛!!」
「違います、凛ちゃんのお父様!」





健気な声でそう言うと、寂しそうな顔で告げるいじめっ子のボス。