彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「やめて!!顔を踏む気!?」

「そうよ!!」
「そうだ!!」

「えっ!?」





まさかの返事に身体がかたまる。
そして宣言通り、2人の足の裏が、私の顔面に迫るが――――――――――





ピンポーン♪





私が顔を、踏まれることはなかった。





ピンポーン♪





「チッ!こんな時に誰だ!?」
「招かれざる客ね!?」





チャイムの音で、両親からの暴行は止まる。





「お前、近いんだから出ろよ!」
「命令しないでよバカ男!」
「なんだと!?」
「うるさい!はーい♪今出ます~♪」





怒る父を無視し、キレイな声で返事をする母。





「クソ!」

ゲシ!

「あう!?」





無視されたことで父は、私に八つ当たりのケリを入れた。
受け身を取ったが、痛い。





(ずっと・・・・・・・・・・・・・心が痛い。)

神様助けて!!





心が絶望で支配された時、それはさらに加速した。

玄関を開けた母親が叫んだ。







「ルノアちゃん!?」


(なんだと!?)







声のした方を見れば――――――――――





「あれ?凛ちゃん、床に寝転んで・・・気分でも悪いの?」





小首をかしげて、不思議そうな表情で聞いてくる渕上ルノアがいた。
私を―――――――菅原凛を苦しめる諸悪の根源。
神様に助けを求めた私が馬鹿だった。





(瑞希お兄ちゃんに助けを求めればよかった!!)





そう思ったら、床に沈んでいた身体が動いた。
起き上がりながら、憎いいじめっ子をにらみながら叫んだ。





「何しに来たの!?」
「凛!?」
「帰って!!渕上さん達、みんな帰って!!」
「凛、いい加減にしないか!!」

バシ!!

「あう!?」





父の平手で、再度床に倒れこむ私。





「やめて!!」





その声に合わせて、奴が私に覆いかぶさってくる。





「私の大切な凛ちゃんを、イジメないで下さい!!」





しおらしい表情で、か弱い演技を見せる渕上ルノア。
そして、自然な動きで私に優しい表情を向けてきた。




「凛ちゃん、怖がらなくても大丈夫よ。」
「何が目的なの!?」





はらわた煮えくりかえり、私の身体に触れる渕上を押しのければ、左右から鳥海と難波が顔を出す。