彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




自宅へ向かう車の中は、鎮まりかえっていた。
運転席の父も、助手席の母も、しかめっ面をして、一言も話さない。
私も、理不尽なことをされた怒りで、言葉が出なかった。
無言のまま帰宅する私達。



「入りなさい。」



父に言われ、家の鍵を開けて中に入る。
私の後から、両親も玄関に入ってきた。





(もう最悪!!)

我慢の限界だ!!

(ちゃんともう一度目を見て、お父さんとお母さんにいじめられ続けたことを訴えよう!)





そんな思いで、靴を片方脱いだ瞬間――――――――





「この馬鹿ガキ!!」
「きゃあ!?」





思いっきり突き飛ばされた。





ドサッ!





一瞬、何が起こったかわからなかった。
床に倒れた体を、上半身を起こして後ろを見れば、足の裏をこちらに向ける父親の姿があった。
それで、土足で私を蹴り飛ばしたのだと理解する。





「お父さん!?いきなりなんてことするの!?」
「どこに外泊してたんだ!!?」
「お父さん・・・!?」





なんて言ってごまかそう!!





とっさに言葉が出てこないうちに、今度は母親が私にかけより胸倉をつかんだ。





「ルノアちゃんから聞いてるのよ!!あなたが、中年の男とホテルに出入りしてるのを何度か見て、止めたけど聞いてくれなかったって!!」
「はあ!?あのクズ、そんな嘘をお母さんに言ったの!?」
「クズはあなたよ凛っ!!」





パン!





問答無用で平手打ちをされた。





「っ!?」





痛かった。





「私が渡したお金も、ゲームセンターで遊ぶために使ってたそうね!?」
「違う!使ってない!部屋に置いてる!」
「ウソつかないで!!」





パン!

「痛い!」





叩かれた痛みではなく、





「この大嘘つき娘!!」





信じてもらえないことに、ものすごく心が痛かった。





「未成年で、売春までして、それがルノアちゃんに!クラスメートに、知られていても平気なんて――――――信じられない!」

ドン!

「あう!?」





お母さんが私を突き飛ばした。
それで完全に、私の身体が床に沈む。