「ノートを盗んだ生徒さんにはお詫びします!ですからどうか、大事にはしないで下さい!」
「その件に関しましては、渕上ルノアさんが、ノートを盗まれた生徒さんを説得して、訴えないようにしてくれましたよ。」
「はあ!?」
(あの悪霊、なに良い人ぶってんのよ!?)
「本当ですか!?」
「ルノアちゃんが!?」
「そうですよ。渕上さんは、菅原凛さんの大学進学の件も心配され・・・カンニングの前科がある以上、本校から推薦はできませんが、内部進学は許可しますので、そのあたりはご家族で話し合って下さい。」
「渕上、さんが、私の進路のために、動いたというのですか!?」
「そうですよ、菅原凛さん!あなたがいじめっ子だと決めつけて、被害妄想を抱いている人は、こんなにも菅原凛さんに情けをかけているというのに――――――それを加害者扱いして、恥ずかしくないのですか!?」
「恥ずかしいのは、渕上ルノアさんの方です!巧妙なわなを仕掛けて、私をいじめてるんです!飴と鞭を使い分けて、先生方ばかりか、私の両親までだまして――――――!!」
「いい加減にしろ!!」
バキ!!
「痛い!?」
強い拳だった。
防備を怠ったせいで、もろに右ストレートを顔面に食らってしまった。
「いつまで、渕上さんに嫉妬すれば気がすむんだ!?情けない!」
「お・・・お父さん!?」
自分を殴ったのが父親だと理解した時、頭が真っ白になる。
(そこまで私は、信頼されてないの!?)
「そもそも凛!!お前は友達の家で勉強会をすると言って外泊していたが、実際はどこに泊まっていたんだ!?答えなさい!!」
「それは―――――――・・・・・・」
ばつが悪い質問に言葉を濁せば、そこに母親も加わる。


