「そ、そうよ!!これは躾!!体罰ではなく躾よ!!」
私から手を放すと、こぶしを握って振り上げる。
その姿を見て、
(―――――――やられたふりをした方がいい。)
凛道蓮スイッチがオフになった。
バキ!
「っ!?」
身体の力を抜いた状態でこぶしを頬に受ける。
それにより、殴られた反動で身体が床に倒れた。
私が床に倒れた瞬間、歓声が上がった。
「やったー!悪が滅ぼされたぞ~♪」
お調子者の中山がそう言った。
拍手まで上がり、パチパチという音がなりやまない。
「思い知ったか、菅原凛!!今日は授業に出ないで、生徒指導室にいてもらうから!!カンニングと窃盗の件は、お前の両親に連絡済みだからな!!」
「・・・。」
(お母さんたちに連絡済みですって?)
勝ち誇ったように言う井谷を無視して、体を起こす。
(最悪だ・・・!最初から私を犯人にするつもりだったのね。否定していた自分が馬鹿みたい・・・!)
無言で自分の荷物を持ち、教室から出ていく。
「待ちなさい、菅原凛!!どこへ行く気!?」
「生徒指導室に移動するに決まってるでしょう?」
「生意気な!!」
バキ!
二発目のこぶしを顔に食らう。
ドサ!
それでまた倒れたが―――――――
(めんどくせぇ・・・)
無言で立ち上がって、荷物を持ち直す。
「先に生徒指導室に来ます、井谷先生。」
「な!?」
そう告げて、さっさと移動しようとしたのだが――――――
「勝手な行動をとるな菅原凛!!クラスメートに言うことがあるでしょう!?移動するなら、謝ってからにしなさい!!」
「・・・。」
「聞いてるのか、菅原凛!!この大嘘つきの自称いじめられっ子!!なんとか言え!!」
「・・・・じゃあ、言いますね。」
スマホをカメラモードにして、撮影しているクラスメート達を注意することなく、私をにらみつける担任に私は言った。
「菅原凛をいじめる井谷先生と黒幕の渕上ルノアさんと1年B組の生徒とあゆみが丘学園の全校生全員、絶対に許さない・・・・・!」
自分でもびっくりするぐらい、低い声が出たと思う。
これで、動画撮影していたクラスメート達はもちろん、井谷も、ビクッと身体を震わせる。
それを無視して、ゆっくりとした動作で彼女達に背を向ける。
背を向ける時、最後に見た渕上るのは、完全に怒った表情をしていたが、もうどうでもよかった。
教室から出ると、早歩きで生徒指導室へと向かう。
この日私は、渕上と井谷とクラス全員の罠によって、テストでのカンニングとノート窃盗の罪を着せられた。


