彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「この大嘘つき女が!!」





そう言われたが、今度は倒れなかった。
かわりに、ジロッとメンチをきって、井谷をにらんだ。





「な、なんだ、その目は!?」
「・・・渕上ルノアさんが今、手でぶらぶらさせながら持ってるカギを調べて下さい。」





そう言った時、渕上はカギを飯塚アダムに投げた。
飯塚は受け取り、ポケットに入れた。
だから言った。





「今、渕上ルノアさんがカギを飯塚アダムさんに渡して、飯塚アダムさんが自分のズボンのポケットに入れました。あれが、私のロッカーの合いかぎのはずです。」
「いい加減にしろ菅原凛!!」

バシバシ!!





こっちの言い分を聞くことなく、井谷は、今度は往復ビンタしてきた。
それでも直立不動で立つ私。
どうやら、凛道蓮モードのスイッチが入ったらしい。





「飯塚アダムさんのズボンのポケットのカギを、私のロッカーに差し込んで下さい。合うはずです。」
「言い逃れするのもたいがいにしろ!!」
「なぜ、渕上ルノアさんのことも、飯塚アダムさんのことも見ないのですか?確認責任を放棄するのですか?」
「黙れっ!!」

グイ!





胸倉をつかまれたと思ったら、またバシッ!と私の頬を叩いた。





「認めなさい!!カンニングしたと、ノートを盗んだと認めなさい!!」
「私はカンニングはしてませんし、ノートも盗んでいません。」
「~~~~~~この不良娘っ!!」

バシバシバシバシ!!





そう叫ぶと井谷は、何度も何度も私の頬を叩いた。





「うわー井谷先生マジ切れした!」
「菅原凛が開き直ったぞ!」
「先生―お仕置き続けて!」
「もうグーで殴っていいよ!ねぇ、フッチー?」





その言葉で、フーフー言いながら私を叩いていた井谷の手が止まる。
チラッと渕上を見れば、先ほどより機嫌が悪い顔をしていた。
それでますます冷静になれたので、井谷に告げる。





「これだけ証人がいれば、立派な体罰だと証明できますね、井谷先生?」
「なっ!?」
「―――――――――井谷先生!!躾をした方がいいよ!!」





そう叫んだのは、渕上ルノア。
あいつ、学校で大声出せるのかと思っていたら、井谷が髪を振り乱しながら吠える。