彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「おー怖い怖い!そんなに気が強いなら、いじめられないと思うけどね~」
「おい!!私の愛弟子を侮辱する気か!?階級とフルネームを言え!!」

「それが警官に対する口の利き方か!!?」





船越師範が怒鳴れば、それ以上に大声で罵声を浴びせてくる長山。





「あんたみたいに期の強い師範の弟子が、いじめられっ子とか無理があるんじゃないか!?被害妄想で警察は動けないからね!」
「被害妄想!?」
「愛弟子が嘘をついてるっていうのか!?身元を明かせ!!」
「最近はいろんなハラスメントが増えてますから、警察官もカスハラ対策はしてるんで、簡単には教えられませんね~」
「なんだと貴様!?」
「おーおー口の悪いお年寄りだな!」
「長山先輩!!言い過ぎです!彼女達は被害者なんですよ!?」
「黙ってろ、新人!」
「ですが!!」
「新人!!」
「・・・あとは自分がやりますから、長山巡査部長は派出所にお帰り下さい。」
「あー頼むね!じゃあ、後藤先生♪お大事にね♪」

ギュウ!

「ひっ!?」





わざわざ、若い女教師の手を握ると、口笛を吹きながらパトカーに乗り込む長山。
そして、伊藤巡査だけが私達の元に残った。





「なんですか・・・あれ・・・!?」
「誠に申し訳ありませんでした!!」





私のつぶやきに、太ももに頭がつくほどの角度で、頭を下げてくる伊藤巡査。





「同じ警官として、代わってお詫びします!!自分が勤務する派出所の名前もお伝えしますので、思う存分苦情を入れて下さい!!」
「長山というクズのフルネームは言えないのかい!?」
「本人ならまだいいのですが、第三者がしゃべることはできない規則になっています!!」
「・・・伊藤巡査だっけ?いつから長山と組んでるんだい?」
「配属されてからです!」
「何年目だい!?」
「1年です!!」
「人間性が最悪な、警察官に不向きな上司だね。」
「申し訳ありませんでした!!」
「もうそのくらいにして下さい、船越師範。」





かしこまる伊藤巡査を・・・チョコの時にお世話になっている伊藤巡査を見ているだけあって、いたたまれない気持ちになる。