「そうです。私・・・いじめられてます。」
「・・・そうなんだね。それはつらかったね。」
「・・・はい。」
「大まかな話は、後藤さんと船越さんから聞きました。あなたのいじめを記録したノートを、後藤さん・・・後藤先生に預けたということで間違いないですね?」
「間違いないんです!あの!それよりも、後藤先生に何があったのですか!?先生、いつもの先生と違います!」
「うん・・・そのことなんだけど―――――――――」
「警察にも説明したけど、大柄の男5人がかり襲われたんだよ。」
「船越師範!?」
教えてくれたのは、うなだれている後藤先生の肩を抱いている空手の先生。
「後藤先生は、大柄の男5人ですか!?」
「ごめんなさい!!菅原さん!!船越さんを待っていたら、いきなり現れて、いじめの記録ノートを出せと、カバンをつかまれて――――――渡すまいと抵抗したら殴られて、それでいじめ記録ノートが入ったカバンを奪われて・・・彼らはノートだけ抜き取って走り去ってしまったの・・・!!」
「それと入れ替わりで、マヌケな私が駆けつけたわけだ!あと数分早ければ捕まえられたのに!!」
「そうでしたか・・・。」
話を聞き終わり、疑問が残る。
(どこで、情報が漏れたのだろう・・・。)
ノートを渡したのは、教員専用駐車場。
少なくとも、中山達には見られていない。
(だとすると・・・・・・可能性として考えられるのは、教員専用駐車場に面した校舎から見られていたということか・・・?)
うかつだった!!
(受け渡しは、もっと入念にすればよかった!!)
悔しい気持ちになったが、後悔していても仕方がない。


