彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




〈それでは、円城寺大河、凛道蓮、両者、中央で握手を!!〉

「え!?あー・・・はい、握手―――――」
「―――――しねぇよ!!」

バシッ!

「痛い!?」





差し出した手を、思いっきり叩かれる。





「なにするんですか!?」
「うるせぇー!俺は慣れあう気はねぇんだよ!!」





私の言葉に、噛みつかんばかりの勢いで怒鳴り上げる円城寺君。





「凛道!!ようやく、白黒つけられるな!?」
「白黒??」

え?オセロゲームの話、してる?

「例えお前が俺に負けたところで、龍星軍の肩書は代えないから安心しろ!!最強の俺が、弱い総長を守ってやるよ!!」
「僕、負ける前提になってるのですか・・・?」
「はっ!!悔しかったら、こぶしに込めてぶつけて来い!!返り討ちにしてやるよ!!」
「なんで今日・・・そんなに興奮してるのですか・・・?カルシウム不足ですか?」
「ボケが!!おちょくりやがって!!余裕かましてるのも今のうちだけだ!!ぶちのめしてやるから、覚悟しとけよ!!?」
「えーと・・・お手柔らかにお願いします・・・。」





終始メンチを切り、顔を至近距離まで近づけてくる仲間に、ドン引きしてしまう私。





「わははははは!!凛助、円城寺!!3日後は派手に殺しあえよー!!」
「骨は拾ってやる。」
「円城寺ちゃん!!凛ちゃんのお顔は攻撃NGだからね!!初代命令よぉ!!」


「どっちも本気でぶつかり合えよぉ~♪瑞希も期待してるってよ!」

「「え!?」」





烈司さんの言葉に、私と円城寺君は同じ方向を見る。
そこには、腕組みした好きなお方が鎮座していた。
愛するお方は、私と円城寺君を交互に見ると、短く言った。







「マジで戦えよ。凛も大河も、頑張りな。」


「「お、押忍!!」」







大好きなお方からのエールに、首を縦に振る私と円城寺君。





〈それではみなさん、3日後のタイマンバトルに期待しましょうー!!〉





九条アキナの言葉で、どちらともなく私と円城寺君はお互いを見る。





「「・・・。」」





何も言わないし、何も言われなかった。