「汚ねぇ手でさわんな、ボケ!!」
バシ!!
船越師範のトンファーから手を離し、私のトンファーを持っている男子から、私のトンファーを奪い返す。
「くそがっ!!」
お仕置きの意味も込めて、動画機能になっているであろう男子達のスマホを、奪い返したトンファーで薙ぎ払った。
パン!パン!パーン!!
「ぎゃあ!?」
「ひっ!?」
「いて!?」
3つのスマホは四方に散らばる。
「俺のスマホが!!」
「なにすんすか!?」
「ひどいじゃな―――――――」
「ひでぇーめにあいてぇのかっ!!?」
「ひいい!?すんません!」
「ご、ごめんなさい!!」
「おおお許しを!!」
メンチをきりながら言えば、青ざめた顔で謝りながら後退する男子達。
「おいおい!私付きで奪い返す元気があるのかい!?」
「うっせー!いやなら離れりゃいいだろう!?」
「お前が離してくれないから、引っ張られるしかなかったんだよ!」
「――――――――――――じゃあ引きはがします。」
ヒュン!!
取り返したトンファーを船越師範に向ける。
ヒュン!ヒュン!ヒュン!
肩を狙って打ち込むが――――――――
ガキン!
「カッコいいじゃないかい!」
手首を起用に返した船越師範によって、防がれてしまった。
「チッ!」
(簡単にやられてはくれないか!!)
そう思い、瞳孔激するべきか考えるべく、数歩後退して、船越師範から距離を取る。
これに船越師範もあわせるように、2,3歩後ろへと下がった。
「・・・。」
「・・・。」
にらみ合う私達。
「きゃああ♪凛道さん頑張ってー!」
「老人虐待にならない程度でやっちゃってー♪」
「凛道さんマジカッコイイ♪」
「・・・は?」
場違いな声に、私は目だけで声のした方を見る。
そしてギョッとした。
「な・・・!?」
(何この数!?)
私と船越師範を囲むように、人間の円陣が出来上がっていた。
「凛道さん、ファイト―!あなたの勇姿は俺がおさめます♪」
「凛道さんが戦ってるって、アキ君からLINE来たけどホントだったー♪」
「バトルロワイヤルより、こっちの方がいいわぁ~♪」
「凛道さん素敵すぎる~♪」
「恋人にして下さーい♪」
「私を彼女にして~♪」
「愛してるー凛道蓮様―♪」
「・・・・・・・なにこれ?」
「お前のファンだろう、凛道蓮!!」
私のつぶやきに、やれやれと、首を振りながら船越師範が答える。


