彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「汚ねぇ手でさわんな、ボケ!!」

バシ!!






船越師範のトンファーから手を離し、私のトンファーを持っている男子から、私のトンファーを奪い返す。





「くそがっ!!」





お仕置きの意味も込めて、動画機能になっているであろう男子達のスマホを、奪い返したトンファーで薙ぎ払った。





パン!パン!パーン!!





「ぎゃあ!?」
「ひっ!?」
「いて!?」





3つのスマホは四方に散らばる。





「俺のスマホが!!」
「なにすんすか!?」
「ひどいじゃな―――――――」

「ひでぇーめにあいてぇのかっ!!?」

「ひいい!?すんません!」
「ご、ごめんなさい!!」
「おおお許しを!!」





メンチをきりながら言えば、青ざめた顔で謝りながら後退する男子達。





「おいおい!私付きで奪い返す元気があるのかい!?」
「うっせー!いやなら離れりゃいいだろう!?」
「お前が離してくれないから、引っ張られるしかなかったんだよ!」
「――――――――――――じゃあ引きはがします。」

ヒュン!!





取り返したトンファーを船越師範に向ける。





ヒュン!ヒュン!ヒュン!





肩を狙って打ち込むが――――――――





ガキン!

「カッコいいじゃないかい!」





手首を起用に返した船越師範によって、防がれてしまった。





「チッ!」

(簡単にやられてはくれないか!!)





そう思い、瞳孔激するべきか考えるべく、数歩後退して、船越師範から距離を取る。
これに船越師範もあわせるように、2,3歩後ろへと下がった。





「・・・。」
「・・・。」





にらみ合う私達。





「きゃああ♪凛道さん頑張ってー!」
「老人虐待にならない程度でやっちゃってー♪」
「凛道さんマジカッコイイ♪」

「・・・は?」





場違いな声に、私は目だけで声のした方を見る。

そしてギョッとした。







「な・・・!?」

(何この数!?)







私と船越師範を囲むように、人間の円陣が出来上がっていた。





「凛道さん、ファイト―!あなたの勇姿は俺がおさめます♪」
「凛道さんが戦ってるって、アキ君からLINE来たけどホントだったー♪」
「バトルロワイヤルより、こっちの方がいいわぁ~♪」
「凛道さん素敵すぎる~♪」
「恋人にして下さーい♪」
「私を彼女にして~♪」
「愛してるー凛道蓮様―♪」

「・・・・・・・なにこれ?」

「お前のファンだろう、凛道蓮!!」





私のつぶやきに、やれやれと、首を振りながら船越師範が答える。