(これじゃあ負ける!)
負けてしまったら――――――――私の秘密をばらされる!!
(それは嫌だ!!)
「―――――――――――――――ハッ!!」
ダン!
両手で船越師範の攻撃を防いだ状態で、利き足を動かし、船越師範の足を思いっきり踏む。
「っ!?」
かすかに眉を顰める相手をよそに、船越師範の足を踏んだままの状態で、反対の足でけりを繰り出す。
ビシュン!!
「回し蹴りか!?」
ゴン!
「っ!」
トンファーで、私の蹴りは防がれたが、船越師範の胸ぐらあたりに空間が出来た。
私の蹴りを防いだ船越師範のトンファーとは逆のトンファーは、私のトンファーと交戦中。
つまり、船越師範からの攻撃は来ない。
そう思ったので、一か八かで、船越師範へ頭突きを繰り出した。
ガツン!!
「ぐ!?」
「う!」
(ごめんなさい!!船越師範!!)
船越師範の鼻を狙って頭突きをした。
あわよくば、血が出ればいいと思ったから。
(血を見れば、人によっては冷静になったり、パニックになる。船越師範がそれらのタイプの人間だといいのだけど―――――――――)
もしも、船越師範が血を見て、興奮するタイプだったら意味ないけど。
「フン!」
船越師範が私から離れる。
後ろに数歩、後退する。
そして、自分の鼻から出ている赤い液体を確認すると、ニヤリと笑って声高らかに言った。
「やるじゃないかい!!燃えてきたよ!!」
(・・・・・・・ダメか。)
予想は外れた。
(船越師範は、血を見て興奮するタイプか・・・。)
〔★凛は、船越師範のやる気スイッチを押してしまった★〕


