彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「愛弟子が話さないなら、愛弟子の恋心を、私が片思い相手に伝えることにしよう。」

「そ――――!?」

(そんなことされたら困る!!)

そう思うが、なんと言えばいいのかわからない。





押し黙る私に、初めて船越師範は笑顔で言った。





「凛道蓮君、年寄りの散歩に付き合ってくれるかい?」
「・・・もちろんです。」





相手の意図はわからなかったが、ここは船越師範の言葉に従った方が安全だと判断する。





「さあ、行こう。」
「・・・。」





ニコニコしながら歩きだす船越師範の後を、その背中を見つめながらついて行くしかない私。





(どこまで行くのだろう・・・?)





だんだん会場から離れていく。
歓声が遠のいていくのを感じながら、次の一手を思案する。





(信じたくないけど、船越師範は凛道蓮が菅原凛だと気づいてる。)





受け入れたくない現実を受け入れ、どうすれば最悪の事態を免れるか考える。





(菅原凛にとって、凛道蓮であることは弱み・・・弱点でもある。)





秘密を守るためなら、船越師範でも容赦しない。





(だけど、実力で勝てるほどやさしい相手じゃない。)

だったらどうすれば―――――――――・・・・・・・・!?

(船越師範の弱みを、私も握ればいいんじゃないの・・・!?)





〔★凛は不穏な考えに行きついた★〕





船越師範の弱点!!





(探すんだ!船越師範の弱点を!!)





探せないなら―――――――





(船越師範の弱点を作るしかない、のでは・・・・・・・・!?)





そこまで考えた時だった。





「ここしかないか。」





船越師範がしゃべった。
気づけば、人気のいないロビーに誘導されていた。