彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




九条アキナは私達を控室まで案内すると、最後まで円城寺君をにらみながら立ち去って行った。
用意された控室に入ったところで、最初に口を開いたのは悠斗君だった。



「たいがー!短気起こし過ぎだぞ!?」
「うっせー!瑞希さんに嫌がらせしてる悪女だぞ!少しぐらい大目に見ろや!」
「そうだぞ悠斗!大河がキレなきゃ、あたしがキレてた!」
「高千穂は、前回やりあったからなぁ~なんかすんません、真田先輩。」
「気にしてねぇーよ。」



爆裂団を代表して秀君が謝れば、柔らかく微笑む瑞希お兄ちゃん。





「俺のことよりも、今は大河が優先だ。」
「瑞希さん。」
「大河、余計なことは考えずに、いつも通りの大河のケンカをしろ。俺から言えるアドバイスはそれぐれーだ。」
「押忍!貴重なご意見、ありがとうございますっ!!」





そう円城寺君が返事をしたところで、控室のドアがノックされた。



「すみませーん!そろそろリングインする時間でーす!」
「あん?早くねぇか?九条アキナからは、20時開始って聞いてんぞー!?」



瑞希お兄ちゃんがドアに向かって怒鳴れば、外にいる顔も見えない相手は言った。





「なに言ってんすか??開始時間は19時ですよ!」
「はあ!?」
「なんだと!?」
「もしかして瑞希お兄ちゃん―――――――――!」





脳裏をよぎった思い当たることを、私は口にする。





「アキナさん・・・わざと、時間を間違えて教えたんじゃないのですか・・・?」

「「あのクソアマ!!」」





私の言葉に、円城寺君とカンナさんが声をそろえてキレる。





「マジかよ・・・。」





瑞希お兄ちゃんは、怒りを通り越して呆れている感じだった。