彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






なんせ、『悪鬼』の異名をとるほどのつわもの。
『仲間』だからという理由で、本気を出さないというのは・・・





(本気を出さないと、円城寺君、怒るだろうな・・・)



なによりも―――――――



(瑞希お兄ちゃんのことを思えば、龍星軍の総長を継いだ身としては、どうしても勝たなければならない。)



「円城寺君に・・・負けるわけにはいかないんだよね・・・。」



とはいえ・・・借りに勝てたら勝てたで、今後の龍星軍活動が気まずくなってしまう。



(でも・・・もしも、円城寺君が私より強かったらどうしよう・・・。)





「ヤマト・・・総長が総長代行に負けるって、ダメだよね・・・?」
「うはははははは!瑞希はんの顔つぶすことになるのぉー!」
「わあああああ!じゃあ、絶対勝たなくちゃダメだ!!どうしよう!?円城寺君強いのに!!」
「うはははははは!何事も、強気が一番やねん!あと、考え方変えるんや!円城寺君に勝てば、瑞希はんからの寵愛が深まる思えばええねん!」
「え・・・瑞希お兄ちゃん、負けた方に優しくするようなところない・・・?」
「うははははは!龍星軍の看板背負っとるもん同士が戦うんやでー!?ナンバーワンの肩書持ってるもんが勝たんと、瑞希はんの人を見る目が疑われるでー!?それでもええんか~!?」
「!?それはよくない!!」





私のせいで、瑞希お兄ちゃんの評判が悪くなるのはいけない。





「ヤマト、決めたよ!僕、絶対に円城寺君に勝つ!!」
「せやせや!その意気やでー!うはははははは!」
ヤマトの後押しもあり、なんとか自分を奮い立たせる私。
「うはははははは!物事ちゅーもんは、なるようにしかならへんでー!?」
「わかりました・・・成り行きに任せて頑張ります・・・!」
「うはははははは!勝ってや、凛!ちなみに勝ったら、凛にはどんないいことがあるねん!?」

「はい!僕が勝った場合は―――――――――・・・・・!?」

(・・・あれ?なにがあるんだっけ?)

というか・・・

「僕が勝った場合・・・どうなるか聞いてないんですけど・・・・・?」
「うはははははは!いい加減なタイマンやなぁ~!?」
「てか、僕にメリット0じゃないの?」

(なんでそんな無意味な戦いをしなければいけないのだろう・・・。)





ヤマトが爆笑し、私が黄昏る中、私達を乗せた単車は、瑞希お兄ちゃんの元へと到着したのだった。