「瑞希さん!!なんで凛道ばっかり、甘やかし―――――――!!」
「――――――――甘やかしてない!!全員黙れ!!これ、龍星軍初代総長命令な!?」
「「「「「「「「「う・・・」」」」」」」」」
「瑞希さ―――――――――――――――――ん!!?」
クレームを出そうとする仲間達を、服従の呪文で黙らせる瑞希お兄ちゃん。
そして視線を、燃え尽きている西岸の番長に向けながら言った。
「それじゃあ、予定通り案内してもらおうか?」
瑞希お兄ちゃんが、そううながせば、それで放心状態だった催馬楽メテオの目が光る。
「・・・くっくっくっ!もちろんだ!凛道蓮に!俺の長政を奪った凛道蓮に!!地獄見せてやるよ・・・!!」
(うわぁ~八つ当たりとイヤな予感しかしなーい・・・!)
恨めしそうな目で私を見ながら、のろのろと動く西岸の番長。
催馬楽メテオが合図を出せば、運転手が下りてきて、リムジンの後部座席のドアを開ける。
「さあ・・・遠慮せずに乗れよ、凛道蓮・・・!今日を楽しい一日にしてやるからよぉ・・・!」
「え?僕がファーストで乗車する流れですか?」
「じゃあ、ちーちゃんと腕組んで乗ろうねぇ~リンリン♪」
ガシ!
ぐい!
「え?」
そう言われたと思った時には、ちーちゃんに腕を引かれ、リムジンに乗り込んでいた私。
(あーん!瑞希お兄ちゃんと一緒がよかったのにー!!)
と思ったのもつかの間。
「長政・・・!!」
ちーちゃんの名前をつぶやき、私とちーちゃんが一緒にリムジンに乗る姿を見て硬直する催馬楽メテオ。
そのこわばらせた身体から、ボキコキメキと、関節が鳴る音がする。
「おい、凛!あんまり嫉妬させるな。」
そう言いながら、続いて乗り込んできた瑞希お兄ちゃんの背後では、親の仇でも見るような目で開いた両手を、ポキポキと鳴らす西岸の番長の姿がとても印象的だった。
〔★催馬楽は凛に焼きもちを妬いている★〕


