彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「あー!!?りっくんに乱暴しないでよ高千穂カンナ!!」
「そうだ、高千穂!凛さんへの暴力をやめろ!」
「てか、モニカお姉様も、りっくんへの連続チューはズルいです!!抜け駆けは禁止ですわよ!!ますみが消毒する!!」
「あら、そう言うことなら、絶世の美女の瑠華さんがするわ♪涼子ちゃんもしなさいな♪」
「ひえ!?わ、わわわわわ、私は滅相もない!」
「俺は除菌シートで、凛先輩の額を丁寧にケアします!!」
「きれいになったところで、俺が我が君にチューを♪」
「テメーら、俺をバイ菌扱いするんじゃねぇぞ!!?リンリンは俺のもんだぁ!!」
「うああああああああああああああああああああ!!?」





総勢9名にもみくちゃにされる私。





(神よ!私のなにがいけなかったのですかぁー!?)





〔★神は仰った、軽率な行動がよくない、と。★〕





「凛ちゃん!」
「凛!」
「りっくん!」
「りっちゃん!」
「凛君!」
「凛さん!」
「凛先輩」
「我が君!」
「リンリーン!」

「誰か助けて~~~~~~!!」





私の額へと、押し寄せてくる唇に白旗を上げた時だった。







「全員そこまで!!凛道蓮を解放しろ!!龍星軍初代総長命令だ!!」







頼もしい声が耳に届いた。







「瑞希お兄ちゃん!!」
「オメーらのせいで、凛がつぶれてるじゃねぇーか!!?」







そう言いながら、もみくちゃになっている私を引っ張り出して下さった片思い相手。





「平気か、凛?」
「は、はい♪ありがとうございます♪」





ぐしゃぐしゃになった髪を、瑞希お兄ちゃんが手櫛で直して下さりながら、私の耳元でつぶやく。





「オメーはやり過ぎなんだよ。いくら、催馬楽の注意を幡随院からそらすためとはいえ、キスはやり過ぎだ。ごかいをまねくだろうーが。」
「も、申し訳ありません!以後、気をつけます!」
「わかればいい。」





そう告げて、チュ♪と私の額にキスして下さる瑞希お兄ちゃん。







「「「「「「「「「ああああああああああ!!?」」」」」」」」」

「瑞希さん、そりゃないですよっ!!!」







瑞希お兄ちゃんからのチューを見て、声を上げるちーちゃん達と、店内から勢いよく飛び出してくる円城寺君。