彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「俺がどれだけ、長政に恋い焦がれてるか知った上で―――――――なんて陰湿な嫌がらせするんだ凛道蓮!!?」
「え?いや、僕、そんなつもりは~」
「そうでぇーす!!俺とリンリンは、ラブラブなの♪お前が付け入るスキはないんだよ、クソゴミ!!」





私の言葉をさえぎり、相手を挑発する言葉とポーズをとるちーちゃん。
それが余計に、西岸の番長の怒りの火に油を注いだ。





「きぃぃいいいい!!長政から離れろ!!ジャック・フロスト!!鬼!悪魔!淫乱!ヤリチン!」
「鬼で悪魔で淫乱のヤリチンはお前だろうが、クズ!!リンリンが天使なら、お前はそこら辺に転がってる野良犬のうんこだ!!」
「長政♪うんこは、畑の肥やしになる伝統的な肥料だよな!?口ではなんやかんやいいながらも、俺の勝ちを分かってくれてるんだな♪」
「ダメだコイツ!!日本語通じねぇ!!だからクォーター嫌いなんだよ!!」
「ちーちゃん、それは偏見です。全世界のクォーターさんに謝って下さい。おそらく、催馬楽君だけが特殊な例だと思いますよ?」
「いけねぇ!そうだよね~リンリン♪危うく、全世界のうちの善良なクォーターまで、敵に回すところだった♪リンリンだぁい好きー♪」





そう言うなり、私の胸に顔を押し付けてくるチャラ男。





「うわ!?」

(おっぱいあるのがバレる!!)

「胸に顔をうずめないで下さい!!」





慌てて引きはがそうとすれば、私の胸の谷間に位置する場所に顔を固定すると、ニコニコ顔でちーちゃんは言う。





「え~♪なんでぇ~♪リンリン、胸が弱点系~♪感じちゃう感じ~♪照れてるリンリンかわいいなぁ~♪」
「いいから離れなさい!!」
「もう♪仕方ないなぁ~♪リンリンがそう言うなら、この姿勢で我慢したげる♪」





そう言って、私の首に顔をうずめ、ゴロゴロ甘える仕草を取るちーちゃん。





「ちーちゃん!」
「リンリーン♪」
「なんだよそれー!!?」





私が叱る声に、嬉しそうに反応するチャラ男に、それを見ていた西岸の番長がキレる。