彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






ヤマトの家の玄関まで到着すると、勢いよくドアを開け、私は叫んだ。





「聞いて聞いてヤマト!!さっきそこで、瑞希お兄ちゃんのカフェオレが―――――――!!」
「うははははは!!待っとったぞ、凛!!わしの方こそ聞いて聞いて!!」
「うわっ!?」





玄関にいるとは思ってなかった相手が、ヤマトが思いの外間近にいたことに驚けば、関西男子は陽気に言った。





「凛道蓮のLINEに既読つかへんからって、瑞希はんから連絡あったねん!!うははははは!!」
「ええ!?瑞希お兄ちゃんが私に御用があると!?」





急いで、ポケットに隠し持っている凛道蓮のスマホを取り出す。
しかし、その動作をしている間に、何の要件であるかヤマトがしゃべってくれた。





「うははははは!!急なんやけど、これからみんなで、バトルロワイヤルが行われる会場に下見に行くことが決まったでー!!」
「ホント急だな!?」
「うははははは!!なんせ、迎えのリムジンが今、『Felicita(フェリチータ)』に待機しとるんやってー!!」
「迎えのリムジンっ!?誰の!?」
「うははははは!!西岸の催馬楽メテオにきまってるやーん!」
「襲撃してきた奴か。」
「うははははは!!そうそう!没収したスマホ類、いっちゃん高い着払いで、送り返した相手や!」
「・・・着払いの件について、催馬楽は何か言ってるか?」
「うははははは!!言うわけないやーん!卑怯な手段使ったのに負けたんやで~!?ちゅーか、はよう行っとらんと、ながちゃんが半グレに戻ってまう!」
「え!?ちーちゃんに何かあったの!?」
「うははははは!!催馬楽のアホ、リムジンつき出来た挙句、店の外からながちゃんに話しかけ続けとるらしいんや!」
「店内に入れてないの?」
「うははははは!!まだ、営業前やないかーい!」
「それもそうだね。」
「うははははは!!ちゅーことで、長政長政連発するから、通行人が、めっちゃ『Felicita(フェリチータ)』に注目しながら通過していくねん!」
「営業妨害じゃないですか!?」





〔★悪目立ちになっている★〕





「すぐに着替えます!」





瑞希お兄ちゃんに迷惑がかからないうちに、早くお店まで行かなければ!!





〔★長政の心配もした方がいい★〕





「うははははは!!ほな、変身よろしくー♪」
「もちろんです!」





凛道蓮専用の部屋に入ると、カバンを置いて、急いで制服を脱ぐ。
手際よく、『菅原凛』から『凛道蓮』に変身するのだった。