彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




「じゃあねーお嬢ちゃん!」
「また明日ねー女子高生ちゃん!」
「明日の待ち合わせ場所、LINEするからね、愛弟子!」
「はい!みなさん、ありがとうございました!」



終始笑顔を絶やすことなく、車が見えなくなるまで、私はお見送りをした。
完全に、3人が乗った車が見えなくなったところで私は思う。





(瑞希お兄ちゃん、大丈夫かな・・・・・。)


まさか、菅原凛として、瑞希お兄ちゃんにご迷惑をかける日が来ようとは!!


(困った!!タカ&トモさんは、善意で菅原凛のために、真田瑞希様のカフェオレを用意してくれた!!だからこそ、怒るに怒れない!!)


上手くいかないねー世の中って!!





ハーと、がっくりと肩を落とせば、カフェオレ店から出てきた女子達が楽しそうに話していた。





「マジ美味しい~ここあたりだね♪」
「だよね!悪くはないよね~」
「そうそう!美味しいんだけどさぁ~」

「「「チョコちゃんがいる『Felicita(フェリチータ)』のカフェオレが一番だよね♪」」」
「!?」





反射的に振り返れば、声をそろえた女子達は、笑顔で私の横を通り過ぎていく。





「・・・。」

(瑞希お兄ちゃんのカフェオレ・・・有名になってる・・・!)





そう思った瞬間、自然と足は、ヤマトの住むマンションへと向かっていた。