「じゃあねーお嬢ちゃん!」
「また明日ねー女子高生ちゃん!」
「明日の待ち合わせ場所、LINEするからね、愛弟子!」
「はい!みなさん、ありがとうございました!」
終始笑顔を絶やすことなく、車が見えなくなるまで、私はお見送りをした。
完全に、3人が乗った車が見えなくなったところで私は思う。
(瑞希お兄ちゃん、大丈夫かな・・・・・。)
まさか、菅原凛として、瑞希お兄ちゃんにご迷惑をかける日が来ようとは!!
(困った!!タカ&トモさんは、善意で菅原凛のために、真田瑞希様のカフェオレを用意してくれた!!だからこそ、怒るに怒れない!!)
上手くいかないねー世の中って!!
ハーと、がっくりと肩を落とせば、カフェオレ店から出てきた女子達が楽しそうに話していた。
「マジ美味しい~ここあたりだね♪」
「だよね!悪くはないよね~」
「そうそう!美味しいんだけどさぁ~」
「「「チョコちゃんがいる『Felicita(フェリチータ)』のカフェオレが一番だよね♪」」」
「!?」
反射的に振り返れば、声をそろえた女子達は、笑顔で私の横を通り過ぎていく。
「・・・。」
(瑞希お兄ちゃんのカフェオレ・・・有名になってる・・・!)
そう思った瞬間、自然と足は、ヤマトの住むマンションへと向かっていた。


