「そこのあなた達!!なにをしてるのですか!?」
「わっ!?」
「は!?先公!?」
「なんで先公がここに!?」
「教員専用の駐車場に、教師がいるのは当たり前です!」
「そ、それはそうだが―――――――」
「見回りをしているんだけど、ちょっと話を聞かせてくれる!?」
「見回り~?」
「つーか、何ブチギレてんの、先生?」
「怒りたくもなるわよ!連日、私の車に水性ペンで落書きしてる人がいるの!」
(うまいこと言うな、後藤先生。)
落書きの被害にあい、犯人を待ち伏せしていたと言えば、帰宅時間でもないのに駐車場にいても不自然には思われない。
それにくわえ、注意を自分に向けることで、私を逃がしやすくしてくれる。
「あんたの車に落書き~!?」
「そうよ!!だから隠れて見張っていたんだけど――――――――あなた達、持ち物を見せなさい!検査します!」
「はあ!?俺らを疑ってるのかよ!?」
「無実なら、見せられるわよね?」
「いや、俺らじゃないし!」
「つーか、俺ら急いでるんだよ!」
「怪しいわね!!4人共、こっちに来なさい!」
「だから!違うし、急いでんだよ!あんたにかまってるヒマはねぇの!」
「教師に対して、あんたとは何ですか!?あら・・・あなた達・・・もしかして、1年B組の生徒!?」
「そ、そうだよ!俺ら天下の1年B組生徒よ!?」
「渕上ルノアちゃんのマブダチ!!」
「俺らの邪魔して、ルノアちゃんの機嫌損ねたら、せんせー困るんじゃねぇ!?」
「わかったら、どっか行―――――――!」
「なおさらこっちに来なさい!!!」
(うわ!?)
雷でも落ちたかのような罵声。
「「「「ひっ!?」」」」
私を探してる男子達もビビっていた。
「私はね、渕上ルノアさんに好かれてる方じゃないから!!あいにく庶民だから、コツコツお金を貯めて買った車を毎日汚されることに怒ってるわけ!!謝罪が欲しいの!!しゃ!ざ!い!がっ!!」
仁王立ちしながら言い切る若い教師に、中山が取り巻き根性を見せる。


