彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「おーい、お待たせ!どこまで身元調査進んでるー?」
「烈司さん!」





険悪なムードの中、洗面所からムードメーカーの烈司さんが帰還する。





「烈司さん、身元調査というのは――――――――」
「襲撃犯は、西岸の人間とはわかっちゃいるが、確実な証拠ほしいからね~で?どうよ、瑞希?」
「見る限り、西岸の生徒だな。伊織、ドレッド頭のリーダーのスマホ、見れそうか?」
「フン!今、パスワードを解除できた。」
「きゃあー♪さすがイオリン♪カッコいいわぁ~♪ねぇ、凛ちゃん♪」
「は、はい!おみごとでございます!」
「フ、フン!口ばかり達者になりおってからに!」
「わはははははは!!」
「それで瑞希お兄様、襲撃犯のリーダーのスマホ、重要な情報はありますか?」
「うははははは!!まさにそれでんな!気になりまっせ!」
「待て待て!今順番に見てる!」





画面とにらめっこしながら返事をする好きなお方。
それでだれからともなく、静かになる私達。
しばらく無言で画面を触っていた瑞希お兄ちゃんが口を開く。





「バトルロワイヤルの会場について、俺らの知らない新着情報があるな・・・。」
「ええ!?それはなんですか!?瑞希お兄ちゃん!?」
「会場は、催馬楽グループの催馬楽メテオ名義のホテルで行うらしい。」
「え!?あの人、お金持ちなのですか!?」
「らしいな。後は・・・襲撃が成功すれば、黒幕からご褒美がもらえたらしい。」
「黒幕!?ご褒美、ですか!?」
「つまり、催馬楽メテオの部下を動かした親玉がいたわけか。」
「そうだ、烈司。ご丁寧に、ターゲットは凛道蓮になってる。」
「また僕ですか!?」
「かわいそうなりっちゃん!瑠華お姉さんが慰めてあげる!」

ギュ!

「あう!?」





そう言うなり、私の顔を胸の谷間に挟む美女。
強く抱き寄せられたせいで、息苦しくなる。