彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






『Felicita(フェリチータ)』で瑞希お兄ちゃんと合流をする。





「お帰り、凛。烈司、ヤマト、瑠華ちゃん。」
「ただ今帰りました!瑞希お兄ちゃん!」





キッチンカウンターの定位置に座っている瑞希お兄ちゃんの隣・・・自分の定位置に真っ先に向かえば、苦笑いされた。




「凛、ちゃんと手洗いうがいしてからだ。」
「ご、ごめんなさい!瑞希お兄ちゃんが心配で!」
「だったら、早くキレイキレイして来い。」




頭をなでられ、気持ちが昂る。



「あ、りっちゃん、待ってよ!」



背後からそんな声がしたが、一目散で洗面台に向かう私。





(早く瑞希お兄ちゃんのお側に♪お側に♪)





そんな思いで、素早く洗面台で手を洗い、素顔を見られたくないこともあり、
うがいを即完了してUターンする。



「りっちゃん、早すぎるわよ~」



私が手洗いうがいを済ませるのと入れ替わりで、瑠華さん達が洗面所に到着。



「すみません、お先です。」



そう告げ、あきれ顔の瑠華さん達を残してサッサと瑞希お兄ちゃんのお側へ帰る。





「瑞希お兄ちゃん~キレイキレイしてきま~・・・何なさってるのですか??」
「ああ。ロックかかってないやつだけ、中身見てんだよ。」





そう語る瑞希お兄ちゃんは、敵から回収したスマホを、烈司さん以外の初代メンバーとチェックしていた。





「瑞希お兄ちゃん、勝手に見るのは、プライバシーの侵害になりませんか?」
「人様尾行した上で、計画的に襲ってきた挙句、その様子を動画撮影するようなやからなら、テメーのスマホを奪われて、中身チェックされてもいい覚悟を持ってると判断されても文句は言えねぇからしてるもんだと俺ならみなす。」
「そういうものですか?」
「そうだよ。念のため、手袋付けてスマホ類触れよ。ほら、使え、凛。」
「あ、ありがとうございます。」





手渡された白い綿の手袋を両手につけ、瑞希お兄ちゃん達がしてるようにスマホの1つを手に取り・・・試しにLINEトークを見てみる。