彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






白い煙が舞う中、容赦なく動く人影を、敵を次々にぶん殴り、蹴り、叩き、足払いして、トンファーで攻撃する私。
カラになった消火器を瑠華さんに渡せば、彼女はそれを両手に持ち、容赦なく敵の減免に打ち込んでいく。





「オラ!」

ガン!

「あぶ!?」



「オラ!」

ガン!

「ぐへ!?」



「オラ!」

ガン!

「がは!?」



「なめんじゃねぇぞ!?」





その様子を見ながら思う。





(瑠華さん・・・ヤンキーだったっけ・・・?)





〔★元カレはバリバリのヤンキーだ★〕





お姉さんへの疑問を覚えながら交戦していれば、消火器の煙がはれる。
その頃には、私達を襲ってきた、撮影していた敵達は、1人残らず地面で寝ていた。





「終わりですかね、瑞希お兄ちゃん?」
「終わりだろう。烈司!ヤマト!撮影全員のスマホとビデオとタブレット、回収しろ!瑠華ちゃんは凛から離れるな!凛は瑠華ちゃんを守れ。」
「OK~」
「うはははははーい!!」
「わかりましたぁ~♪」
「仰せのままに。」
「よし!」





私達から承諾の返事を聞くと、転がっている一人の胸倉をつかんで、引きずり起こす。





「おい。」

バキ!

「ぎゃ!?」





横っ面を殴れば、気絶していた敵が覚醒する。
そいつからスマホを奪うと、瑞希お兄ちゃんはメンチをきりながら聞いた。





「オメーら、誰に頼まれて、凛達を襲った?」
「し、知らねぇ!!」
「・・・金もらってやったんじゃねぇのか?」
「知らないって言ってるだろう!?」
「立場わきまえろや!!」

メキッ!!

「ぐええええええええ!!」





瑞希お兄ちゃんがみぞおちを殴った。
そして手を放すと、うずくまる敵を容赦なく蹴り始める。





ゲシ!バキ!ガッ!ガッ!ガッ!

「大事な弟の凛に手を出されて、俺が黙ってると思ってんのか!?ああ!?」



(『大事な凛』!?ですとー!!?)





凶暴なお顔で、私への溺愛を語る好きな人に胸がときめく。





〔★凛は自分に都合よく、解釈をした★〕