彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






ピコン!
ピコン!
ピコン!





スマホを持っていた者達が、一静にスマホ画面を私に向ける。
中には、ビデオを持っている者も数人いた。
それ以外の動画アイテムを持つ者もいる。





「・・・悪趣味ですね。」
「うははははは!!わしらとのバトルシーンを撮影するきかいな~!」
「案外配信してるかもしれないな。」
「あらやだ。メイク直そうかしら~」





明るい声で口々にみんなは言うけど、烈司さんも瑠華さんもキレた顔をしてる。
ヤマトはヤマトで、この状況を楽しんでいるように見えた。
撮影されてるなら―――――と思い、大声で叫んだ。





「録画と配信するのは勝手だが、みっともない姿をさらすのは、テメーらの方だと覚悟しろや!!」



ヒュン!ヒュン!





トンファーを構えながら言えば、一静に敵が襲い掛かってきた。





「「「「「「「「「「―――――――!」」」」」」」」」」





無言で、迫る敵に薄気味悪さを感じつつも、迎撃しようとした時だった。







ブロロロロロン!ブローン!!

「邪魔するぜ―――――――――――――――!!」







聞きなれた声と単車のエンジン音。





「瑞希お兄ちゃん!?」

ブロロロロロロ―――――――――ン!!





後方から、愛車の真紅のインパルスに乗った瑞希お兄ちゃんが、私達の輪の中に突っ込んできた。





「うわ!?」
「ぎゃ!?」
「あー!?」
「カター!!」
「アイヤー!」


「凛っ!!!」





瑞希お兄ちゃんは、敵をよけることなく、一直線に私の元にいらした。



キキキ―!!



単車を私に横付けすると、後部座席に積んでいたものを私に押し付けてきた。





「使え!」
「え!?これ!?」





渡されたものを見てギョッとする私とは対照的に、烈司さんと瑠華さんヤマトは楽しそうな声を出す。





「さすが瑞希!良いアイテムチョイスだぜ♪」
「瑞希お兄様、素敵ですわ♪」
「うはははは!!」

「オラ!受け取れ、オメーら!」





そう言いながら、重たい『それ』を、ヤマトに、烈司さんに、瑠華さんに渡していく瑞希お兄ちゃん。
そして単車から素早く下りると、瑞希お兄ちゃんは私を見ながら仰った。