期末テスト3日目。
テスト終了後、かけ足になりながら、電話ボックスの側まで行く。
ブロ―――――――ロロロン!!
「乗りな!」
「はい!」
急停車と急発進をするタカ&トモさんの車に、上手く乗れるようになった頃。
尾行する中山を筆頭としたB組男子数名は、その姿を隠さずに私を追いかけていた。
「待てコラ!!」
「なんなんだよ毎日毎日!?」
「なんで地味女が、運転テクハイクオリティの車に乗って帰るんだよ!?」
遠ざかる電話ボックスの側から、そんな苦情の声が上がるが知ったこっちゃない。
「愛弟子!追っかけが増えてきたね!?」
「好きで増量してもらってるわけじゃないです。」
「なるほど!世の中には嬉しくない増量もあるよね、お嬢ちゃん!」
「嬉しい増量ばかりとは限らないよな、女子高生ちゃん!」
私に理解を示してくれるタカ&トモさんは、毎日違う車で迎えに来てくれた。
私から何か言ったわけではないが、「不良を嫌っている発言」を、どうやら気にしているらしいと、船越師範が教えて下さった。
だから、スカイハイで使う車を封印し、高性能なレンタカーを使って迎えに来てくれていた。
(確かに、走り屋のスカイハイの車じゃないなら、渕上達は菅原凛がスカイハイとつながっているとは気づかない。)
思えば、菅原凛の姿で初対面した時も、凛道蓮で見慣れた走り屋の車ではなかった。
「あの・・・お2人は、レンタカーで私を迎えに来て下さってるのですよね?初めてお会いした時も、レンタカーだったのですか?」
「いや、違うよ~お嬢ちゃん!」
「あれはねー俺の趣味の車!」
「趣味?」
(トモさんの趣味の車だったの?)
「トモの趣味の車、インテリ系だよな~お嬢ちゃん!?」
「すみません・・・よくわからないです。」
「マジか!?残念!俺の車はお気に召さなかったかー・・・」
「すみません、トモさん。」
「謝らなくていいよ!好みはみんな違う!案外、タカの趣味の車がいいかもしれないし!」
「だったら明日は、レンタカーじゃなくて、俺の趣味の車で迎えに来ようか!?」
「それイイネ!決定~♪」
「・・・楽しみにしてます。」
盛り上がる車好きに、ついていけなかったが、無難な返事をする私。
「「明日もお迎え、任せてよ!」」
「ありがとうございます・・・。ご迷惑をおかけします。」
「「全然迷惑じゃないって!!」」
「そうだよ、愛弟子!!頼れる相手には頼りな!!」
私の肩を抱きながら言う大人。
「ありがとうございます、船越師範・・・。」
(船越師範には、いつか恩返しを・・・!タカ&トモさんには、凛道蓮になった時に、カモフラージュしてお礼をしよう。)
今の私に―――――菅原凛にできのは、優しい3人の人間にお礼の言葉を述べることだけだった。


