ガソリンスタンドをスタートし、敵と並行して走る私。
(いつも通り走ればいいよね?)
キュォオオオオ―――――――――――ン!
グラグラ!
「きゃぁあ~♪はやーい♪蛇行する~♪」
「っ・・・!」
(くそ!!自分の単車と違うから、いつも通りにはいかないか!!)
バランスが取れず、左右に揺れる走りを、技としていると思って喜ぶますみちゃん。
そんな印象を持ったのは、敵も同じだった。
「ぎゃははは!乗り気じゃない言い方しときながら、実際はノリノリじゃねぇか凛道!?」
(いや、神経使って走ってるだけなんだけどな・・・)
はしゃぐますみちゃんと敵に、妙に冷静になってしまう私。
(これは理性的に動いた方が勝てる。)
油断しないようにしよう。
(調子に乗らないように、心がけよう。)
そう思っていたのだが―――――――――
「うふふふ♪ますみの彼氏の方が、佳子の彼氏より上みたいねぇー!!!」
凛道蓮の単車の同乗者がそうじゃなかった。
「税金の無駄遣いをするロイヤルニートと同じ名前の佳子ちゃーん!!ここまでおいで~♪」
「ますみちゃん!?」
「しっかりスピード出してもらいなよ、佳子~!それだけ厚化粧してれば、風圧で化粧も落ちないはずでしょう~!?」
「やめなさい、ますみちゃん!あおらない!!」
そう注意したが遅かった。
「こんのぉ――――――――――女の出来損ない!!!」
叫ぶと同時に、かぶっていたヘルメットを脱ぎ捨てて、それを投げつけてきた佳子。
「ハンドボール部舐めるなよ!!?」
ブーン!!!
(やば!?)
佳子の言葉通り、ますみちゃんに一直線で飛んでくるヘルメット。
ギュルルッル!!
「きゃああ!?」
ますみちゃんを守るため、バイクの軌道を変える。
ガン!ゴロゴロゴロ!!
おかげで、ヘルメットは道路に落下して転がるだけで済んだ。


