彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




ガソリンスタンドをスタートし、敵と並行して走る私。



(いつも通り走ればいいよね?)



キュォオオオオ―――――――――――ン!

グラグラ!



「きゃぁあ~♪はやーい♪蛇行する~♪」

「っ・・・!」

(くそ!!自分の単車と違うから、いつも通りにはいかないか!!)





バランスが取れず、左右に揺れる走りを、技としていると思って喜ぶますみちゃん。
そんな印象を持ったのは、敵も同じだった。





「ぎゃははは!乗り気じゃない言い方しときながら、実際はノリノリじゃねぇか凛道!?」



(いや、神経使って走ってるだけなんだけどな・・・)



はしゃぐますみちゃんと敵に、妙に冷静になってしまう私。



(これは理性的に動いた方が勝てる。)



油断しないようにしよう。



(調子に乗らないように、心がけよう。)



そう思っていたのだが―――――――――



「うふふふ♪ますみの彼氏の方が、佳子の彼氏より上みたいねぇー!!!」





凛道蓮の単車の同乗者がそうじゃなかった。





「税金の無駄遣いをするロイヤルニートと同じ名前の佳子ちゃーん!!ここまでおいで~♪」
「ますみちゃん!?」
「しっかりスピード出してもらいなよ、佳子~!それだけ厚化粧してれば、風圧で化粧も落ちないはずでしょう~!?」
「やめなさい、ますみちゃん!あおらない!!」





そう注意したが遅かった。





「こんのぉ――――――――――女の出来損ない!!!」





叫ぶと同時に、かぶっていたヘルメットを脱ぎ捨てて、それを投げつけてきた佳子。





「ハンドボール部舐めるなよ!!?」

ブーン!!!



(やば!?)





佳子の言葉通り、ますみちゃんに一直線で飛んでくるヘルメット。





ギュルルッル!!

「きゃああ!?」





ますみちゃんを守るため、バイクの軌道を変える。





ガン!ゴロゴロゴロ!!





おかげで、ヘルメットは道路に落下して転がるだけで済んだ。