「あたしは!!声がでかい奴は嫌いなんだよ!!あと、面食いだから、グラサンで顔隠すような部男に興味なし!!」
(うわ~・・・この子、ヤマトの素顔見てないな・・・)
「あの~」
「あ!?お前、この関西人のツレだよな!?二度と連れて来るなよ!!あたしは、アマ玉1個で落とせるほど安くないんだよ!!つーか、出禁!!お前ら出禁だ!!いいよね、店長!!」
そう言って、ますみちゃんを見つめている成人男性に言う西代という女子。
これに店長と呼ばれた成人男性は、にっこりとますみちゃんに笑いかけた後で、私に鬼のような形相を向けながら言った。
「ますみん以外、お前ら2人は出禁だ!!二度と来るな!!」
「え~・・・」
「うわーん!フラれた上に、出禁にされてもーたぁ!!」
〔★ヤマト撃沈、凛の目の前でフラれてしまった★〕
「うわーん!りーん!」
ガバ!と、ますみちゃん付きの私に抱き着きながら、情けない声を出すヤマト。
「げ、元気出して下さい!世の中の半分は女性です!他にも女の子はいますから!」
「あかん!あかんねん!わし、あかんよ!またフラれた!」
「お、落ち着いて、ヤマト!」
「涙が止まらん!!まさに水の呼吸のごとし~!!」
「とりあえず、僕のハンカチ使いなさい。」
「あん♪りっくん優しい~♪惚れ直す~♪」
「ちょ、ヤマトを慰めるので、離れて下さい、ますみちゃん!」
「やだぁ~!はなれなーい♪」
そうやって、もみくちゃにされていれば―――――――――
カッシャ―ン!
「「あ。」」
私とヤマトの声が重なる。
「あー!!わしの勝負下着ならぬ、勝負グラサンがぁ~!!」
ヤマトのサングラスが地面に落下する。
途端に悲鳴が上がる。
「きゃあああああああああ!!?えっ!!!?すごいイケメンっ!!!?」
言ったのは、たった今、ヤマトを振った西代という女子。
「ああ~!大事なわしのサングラスちゃん!落としてごめんやしておくれやしてごめんやっしゃ~!!」
西代の言葉に無反応で、鼻をすすりながらサングラスを拾ってかけるヤマト。
「ウソでしょう!!?あいつ、あんなに顔面偏差値高かったの!!?」
目を丸くしながら言ったかと思うと、こちらへと突進してくる西代。


