彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




そんなますみちゃんを見ていた男達が叫ぶ。



「ますみーん!!なんて健気なんだ!!」
「俺、ますみんを一生推すよ!!」
「耐えるますみんが、いじらしくて可愛い!!」
「一途なますみん最高!!」
「可愛いは最強!!だから、ますみんは最強!!」
「みんなぁ~ありがとうぉー♪」



男達のエールを受けて、ますみんがほほ笑む。



(こうやって笑っていれば、本当に可愛いだけの女の子なんだけどなぁ~・・・)



「ますみ、彼氏のりっくんと必ず幸せになりまーすぅ♪」



「「「「「ますみーん!!」」」」」



(私の、凛道蓮の彼女面さえしなければいいのに・・・。)



私にくっつきながら、否定する事実をますみちゃんが宣言した時だった。





―――――――――――バロロロッロ!!





「!?ますみちゃん、危ない!」





給油目的と思われる単車が、ガソリンスタンドに入ってきた。
そんなバイクの進行方向にますみちゃんがいたので、安全な位置にいる私の方へと引き寄せた。





「あん♪りっくん、だいたーん♪」

ガバッ!

「ちょ、抱き着かないで下さい!」





親切で引き寄せたら、背中に両手をまわされて抱き着かれた。
そんな勘違い女子を引き離そうとしたのだが―――――――――――







「ヒャーハー!!見つけたぜ!!凛道蓮!!」
「え?」







その言葉に、私の動きが止まる。
声の主は、ますみちゃんとの衝突を避けるためによけたバイクの運転手。
よく見れば、ノーヘルでド派手な金髪マッチョだった。





「ぎゃははははは!!凛道蓮の大親友が、最近、このガソリンスタンドの常連になったって聞いて来てみれば~噂はドンピシャだぜ!!」
「僕の大親友が、このガソリンスタンドの常連客?」





それって―――――――――――





ガチャ!!バーン!!バキ!!





「しつこいんだよ、でくのぼうの関西人!!だれがあんたの彼女になんかなるか!!」
「そんな!!西代ちゃーん!!」





該当者を脳裏に思い浮かべた時、その人物が目の前に転がってきた。
見れば、西代と名札のついた女子に蹴り飛ばされたらしい。
肩で息をしながら、西代さんというブ・・・女性は言った。