「そちらのお客様、ティーン雑誌のキュンキュンに出てる『ますみん』ですよね!?ますみんいじめるとか、世の男を敵に回すのと同じですよ!?」
「ま、ますみん!?」
「ひっく、ひっく!ますみの愛称なのぉ~」
ウソ泣きしながら、どこから出したのか、10代向けのモデル雑誌を私に見せてくるますみちゃん。
その表紙には、可愛い服を着て、あざとい表情でうつっているますみちゃんがいた。
「・・・・・・・・なんですか、これ?」
「ひっく、ひっく!今月のキュンキュンの表紙だよぉ~可愛い子がいっぱいいる中で、ますみが、表紙に選んでもらえたのぉ~」
「そ、そうなんだ・・・。」
(確かに、ますみちゃんは可愛い。表紙に選ばれるのも納得だけど――――――――――)
「おい!言いたいことはそれだけか!?」
「ますみんの可愛さは別格だと言えないのかよ!?」
「ますみんが表紙に選ばれるのは当然なんだよ!!常識だよ、常識!!」
「ますみんをもっと大事にしろや!!この外道!!」
「鬼!悪魔!妖怪!鬼畜!」
なにゆえ、私が、罵詈雑言を受けねばならないのだ。
〔★モデルのますみんは、不動の人気者だった★〕
「黙ってないで、なんとか言えよチビ!!」
「やめてぇ!!りっくんをいじめないでっ!!」
呆れて立ち尽くす私を、抱き寄せながらますみちゃんは周囲に訴える。
「りっくんは、ますみとラブラブするより、男友達と遊ぶ方が好きな時期なのぉ!時が流れれば、ますみとラブラブしてくれるからぁ!それまでますみは、りっくんを待つのぉ!」
「いや、待たれてもそんなラブラブ展開は来ませんよ?」
「そう言って照れながら塩対応するりっくん、大好き♪チュ♪」
そう言いながら、再び、シルキロールの上から私の頬にキスするますみん。
〔★凛の言葉、ますみんには通じなかった★〕


